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2003/10/02

17.ネクラ

 先週の定例会をもって、約々4年間続いた「ひきこもりについて考える会」が終了した。今後は「新ひきこもりについて考える会」という新しい会を立ち上げて(実質的には「引き継いで」といってもいいのだけど)、いままで同じような活動を続けていくことになる。でも引き継ぐといっても何といっても、ひとつの区切りを迎えたことには変わりはないわけで、そういう意味ではちょっとした感慨みたいなものもある。また、それよりなにより、いままでこの「ひきこもりについて考える会」を立ち上げてここまで続けてこられたふみこさんには、ほんとうに感謝の気持ちでいっぱいであります。こういう貴重な場を提供してくださったこと、この場を通じていろいろと考えを深めることができたこと、そしてここを通じていろいろと面白い人たちに出会えたこと、ほんとうに感謝しております。こんな面白い場っていうのは、全国探してもそんなにはないと思う。

 ……などということを書いたあとにこういうことを書くのは非常に気が引けるのだが、「考える会」に出たあとの夜・帰り道というのは、実はかなりウツになることが多い。これは以前からそうだったし、いまでもそうだったりする。実はこないだもそうだった。電車に乗って一人になって、ぽつんとシートに座った途端に、なんだか「はあ~~」っていう気分になってしまうのだ。どうしてかはわからない。どうしてかはわからないけど、でもそうなのだ。いやもっと正確に言えば、おそらく僕はその理由を薄々ながら気がついているのだけど、でも僕はそれを明瞭な言葉に置き換えることができない。手にとってその感触を確かめることのできるような言葉を見つけ出すことができない。名前がない。そういうのってちょっとばかしイライラすることだけれど、でもそういうのが長いこと続いてきたので自分としてはなんだか慣れてしまった。うん、まあそういうものなんだよみたいな感じである。これが果たしていいことかそうでないのかは、自分ではよくわからないのだけど。

 「考える会」に出たあとにはよく鬱になると書いたけど、もちろんこれは「考える会」という集まりの責任ではまったくない。主宰者であったふみこさんの責任でもまったくない。そこははっきりと強調しておこう。これはあくまで、僕個人が抱えている問題に端を発するものだ。問題は僕がそれをはっきりと意識化することができないっていうこと。あるいはそのことをはっきりと意識したくないので、その理由を言語化することから逃げ続けていることだ。だって、言葉にしてしまったらどうしたってそれと正面切って向き合わなければならなくなるから。これは大事なことなのでもう一度繰り返します、これは実に明快に僕自身の個人的な問題です。「考える会」という集まりにはまったく何の責任もありません。たまたまそれが起きている場が「考える会」だというだけのことです。

 まあそれはともかく、この会に出席するたびにこういう思いをするので、一時期は「考える会」に出ることについて真剣に見直そうと考えた時期があった。つまりは、この会に出るのをやめるということである。それはもう1年以上も前のことなので半分忘れてしまったけれど、でも当時はかなり真剣にそのことについて考えた記憶がある。たぶん自分なりにどこか行き詰まっていたのだろう。

 思えばそのときの状態って、心の調子を崩して少しずつ坂道を転げ落ちるようにひきこもりへと埋没していった時期のことに似ている気がする。当時大学生だった僕は、学校の授業よりも所属していたサークルが第一という生活を送っていたのだが(一種のスチューデント・アパシーですね)、ある時を境にそのサークルに顔を出しづらくなった。サークルこそが自分のいちばんの居場所という気持ちがあったのだが、そこに出席するたびに傷ついてサークルに出たことを後悔するという日々が続いた。そしてずるずると周囲の対人関係から撤退し、気がついたら自力ではどうすることもできないぬかるみの中にはまっていた。何とかしなきゃと焦れば焦るほど事態は確実に悪くなった。
 似ているのは「出たいけど出ると傷つく。でも自分にはほかに行くところがない」というところ。いまは1年前ほど思いつめてはいないけど、でもそれがまったくなくなったわけじゃない。事実こないだもそれがあったわけだし。

 結局のところあの頃と今って、たいして変わってないのかなって時々思う。見た目上はあのぬかるみからも脱して友達もできて、傍目から見たら何の問題もないように見えたとしても、実は閉じてねじれた環の上をぐるっと回って、また元いたところに戻ってきただけなんじゃないかという気がする。進歩なんか全然ないし、結局のところ自分はこの先どこにもたどり着かないんじゃないかってことを夜中にひとりでよく考える。これはたまたま弱気になったときだからそう思うのかもしれないし、事実冷徹に事態はそういう方向に進んでいるのかもしれない。僕にはその辺の判断がうまくつかない。これは僕が僕の問題についてあまりに当事者でありすぎるからかもしれないし、ただ単に事実を知りたくなくて目を逸らしているからなのかもしれない。まあできたら前者の方だと、僕としてはうれしいのですが。

 だいたい今日だって結局1日なんにもしなかった。きのうの夜中にヤンキース対ツインズの地区シリーズを見始めたあとは、朝寝て昼起きて夕方ちょこっと寝て、あとは見るともなくテレビ見てネットしてぐだっとしてただけだ。それ以外は昼間友達と電話して猫と遊んで……、それからえっと、あとはなんだっけ? ともかく、はっきりと有意義と言えそうなことなんて電話以外はなんにもしてない。外にも出ていない。まわりの人からは「忙しいの?」ってよく聞かれるんだけど(なんで?)、忙しくなんか全然ない。毎日さしたる成果もなくうだうだと無為に日々を送っているだけです。しょせんその程度です。まったくこれのいったいどこに進歩なんてものがあるのでしょう?

 ……などということをぐだぐだと書きつつ、眠剤飲んでこれから寝るのです。最近毎日天気はいいけど、晴れた空がなぜかいまはうらめしいです。明日のことで確実に言えそうなのは、またBSで朝までヤンキースを見ちゃうんだろうなあということだけです。ヤンキースが負けたあとのことまでは知りません。できたらワールドシリーズまで行ってほしいのですが、この分だとひょっとしたら来週まで持たないかもしれません。がんばれクレメンス。ああもう書くことがなくなりました。次は元気なときに書きます。クラくてごめん。今日は勘弁。それではおやすみなさい。

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