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2005年8月

2005/08/31

六本木ヒルズ

六本木ヒルズに行ってきました。ひさしぶりに。
前回行ったときにわりに気に入ったのですが、
着いた時間が遅くて十分には見まわりきれず。
今回は昼12時(早ぇ~)に着いてゆっくり歩きました。
雨が降らなくて良かったよ。

前回はひとりでしたが、今回はふたり。
ひとりに慣れすぎているので、ふたりはいいですね。
何より新鮮だし、ふだん絶対行かないようなお店に入ったりできて
引き出しが広がります。ひとりだとなかなか入りづらかったするところも、
大勢(ふたりですが)だと気安く行ける。
アルマーニ・ジーンズとディーゼルで長々試着してすっかり満足できました。
やっぱ思ったとおり、ディーゼルのデニムは良いっっ!!
ゆっくり選んで9月に買おう。
すでにハマりそうな予感。ヤバっ!

帰宅後はさっさとメシ食って仕事片付けて寝ようと思っていたのですが、
「マシュー's ベストヒットTV」に出ていた田中麗奈にすっかり釘付け。
バラエティーに出てる田中麗奈をはじめて見ましたが、か、かわいい……!
映画のイメージと全然違うやん。思わずぼけっと最後まで見てしまいました。
うーん、なんか良いものを見たなあ、今日は。
良き1日でした。

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2005/08/30

それはイカンザキ!

最近はもっぱらバイクで通勤しているのだが、
今日はいつも使う道がえらく混んでいる。ほとんど進まない。
バイクに普通、「渋滞」の二文字はないのだが、
あまりにも混みすぎているとにっちもさっちもいかないことがたまにある。
今日もそのパターンだった。

「おかしいなー、事故でもあったんかなー。それとも月末だから?」
と思いながら無理無理クルマの脇っちょをすり抜けていく。
広さのない道ですり抜けをするのはすんげー神経を使う。通勤時点で疲れちった。

そしてすり抜けること約2km、ひと駅先まで行ったところで理由が判明。
「小泉純一郎氏来たる。8月30日15時半」の立て看板が。
見ると、周囲にはどっから沸いて出てきたのかと思うほどの大群衆が。
おまけにだいぶ手前から車線規制がかけられていて、
渋滞が一向に進まない進まない。ちきしょうなんてこった。

クルマが進まないものは仕方がないし、せっかくだから遅刻ついでに
コイズミの顔でも拝んでやろうとちょっとだけ期待してたのだが、
すぐ目の前に見える街宣車(車線一個つぶすなよ、超メーワク……)の上で
演説をしていたのは、あ、あれ? 公明党の神崎武法じゃないっすか。
なんだよ、コイズミじゃないのかよ。つまんねー。
神崎さん、それはイカンザキ!

そのあとも車の量はバカみたいに多く(やはり月末だから?)、
事故渋滞もあって結局15分以上の遅刻。
ひゃー、タイムカード式じゃなくってよかったよ。

しかし小泉と神崎が揃って乗り込んでくるとは、
うちの選挙区、激戦区なんすかね?
誰が候補者なのかも知らないんですけど……。
いいのか?

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2005/08/29

75.ひとりオフサイド

「光陰矢のごとし」とはよく言ったもので、月日の経つのは実に早いと思う。
こないだも書いたけど、ほんと31なのですよ、31。
年齢なんてただの数字だとはわかっちゃいるけど、
しかしそんな悠長かつ呑気なことを言ってると
加速度的に年月が経ってしまうというのが、げにオソロシきところ。
これからは気をつけよう……。(←何を?)

が、年齢のことはまだいい。年月は公平に人々から月日を奪っていくものだから。
しかぁぁーーーしっ!!!
ある集団の中で「自分がいちばん年上」ってのは一体どーなのよっ?!!!
前は自分がいちばん年下だったというのに今じゃ自分がいちばん上。
何「岡本さん」とかフツーに呼ばれてんだ俺。
いったい何がどうなっちまったんだ?
つーか俺より年上の人たちはみんなどこ行っちまったんだ?! 滅びたのか??
(滅びたんだ、きっと)


んで、いまのサッカーのチームでも、
最初年齢のことが気になったので、友達の一人に聞いてみた。

「あのさあのさ、ハマーの中で俺より歳が上の人っているのかな?」
「んー、どうだろう……。岡本さんより年上の人ってあんまいないけど、Mさんなんか上なんじゃないかな。30ちょい過ぎだと思うよ」
そ、そうか。自分がいちばん上じゃないのか。よかった。(←何が?)


で、こないだそのMさんに初めて会った。
うん、なんか俺より年上っぽい。見たところ32~3あたりか。
とりあえず敬語使って話しとこう。これがいちばん間違いのないやり方だ。
少なくともそれくらいには見える。
が、その直後Mさんからこんな発言が。

「あのー…、ここには30代の人って私しかいないんですかね……?
私ことしで30になったんですけど、みんなまだ20代なのかなと思って……」


ハッ!!! Σ( ̄ロ ̄lll)

こ、この人俺より年下?!! 

つーか俺、このおいちゃんより歳、上なのか……

(ガックシ……。) _| ̄|○ 


その後恐る恐る聞いてみると、
Mさんより上の人はほかにはいない様子。
というか、Mさんとタメの人はなぜかいっぱいいるんだけど、
それより上は俺一人だけらしい。

つまりね、図にするとこんな感じなんすよ。

--------------------------------
 31        俺
 30  ○ ○ ○ ○ ○ Mさん
 29       ○ ○
 28        ○
            :
            :
          (中略)
            :
            :
 21        ○
--------------------------------

何コレ?
俺オフサイドポジションじゃん。
前出すぎ、っすか……? \(T▽T)/


どーりでみんなに敬語&「さん」づけ使われるわけだ。
なんてこった……


状況はだいたいどこに行っても一緒。
どこに行っても自分がいちばん上だし、なぜか敬語を使われてしまう。
もちろん呼び捨てや「君」づけで呼ぶ人は(ほとんど)いない。
何か自分がエラくなってしまったようなおかしな気分だけど、
反面やはり、すごおおおおおおおく悲しい。

きっと、街を歩いているほとんどの若者は自分より年下なんだろうなあ。
若者も会社員も店員さんも学生もOLも担当の美容師さんもみんなそうだ。
あー、なんかいろんなものが遠くなっちゃったのかなあ。
美容室でシャンプーやってる子なんてまだ二十歳かそこらなんだよ。信じられる?
信じられねーよ。さ、さみしい……。

いやいや、そんなして老け込んでいる場合(ばやい)ではない。
年齢なぞに負けてはいけない。そこはあがくのだ、もがくのだ。
そこで諦めたらすぐ年寄の仲間入りよ。もだえてもだえてにゃんにゃんにゃん。
いちばん年かさの自分が、サッカーどヘタにもかかわらず
人より多く無駄にたくさん走ってることそのものが次代への希望を生むのだ。
いーのだヘタでも! 好きだからやるのだ!! 臆してはならず!!!


……嘘です。まだそこまでの境地には達していません。
まーあれ。もう少しのあいだだけ気張ってみます。
ええ、若いモンにはまだまだ負けません。負けませんとも……。

                 (寒 波 襲 来)

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2005/08/28

夏の終わり

を感じる今日この頃。
日中は暑いけれど、夜→朝方は涼しくて風邪引きそう。
今日も夜バイクで帰ってきましたが、
Tシャツの上にパーカー羽織ってないとさすがにつらい。
夜でもTシャツ1枚でバイクに乗れた季節は終わっていくようです。
悲しい。悲しい悲しい悲しいよお。

さて、本日は2週間ぶりにサッカーの練習(&試合)。
いままでよりは多少マトモに蹴れたのではないかと思う。
というのも、ようやくにしてトレシューを買ったから。
ははは、今日が初卸しでございます。
「ボールをうまくコントロールできないのは靴が悪いからだ!」
と、勝手に靴のせいにして買ってみたわけですが、
それもまったくウソではなかったみたい。
ちーとサイズがでかかったような気もしなくはありませんが。
いや、砂が入るのだよ。

帰りがけ、どーしても腹が減りすぎてこれ以上耐えられず、
無理無理友達(カノジョではない)を呼び出してメシを付き合わせる。
が、となりの席の煙草の煙がうざくてうざくてしょうがなかった。
いまだに分煙していないお店というのも珍しいよな。

で、最後にブックオフにて夏目漱石×榎本ナリコの『こころ』を購入。
最近の榎本ナリコにはショージキあまり期待していないのだが、
ぱらぱら読んでわりに良さそうだったので黙って購入。
手が空いたらゆっくり読もう。
ああ、しかしその前にため込んだ仕事が……めんどくさ!!!

kokoro

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74.月に負け犬

負け犬なので、最近「あいのり」を見ています。あれはなかなか面白い。
独りテレビの前で、「行けヒデ! 何やってんだ!」
とか言ってる自分はかなり負け犬。
見逃した週はHPで経過をチェックしてるあたり、かなり立派です。

負け犬なので、「横浜M・マリノス」という名前、結構好きです。
M・マリノスのMは負け犬のM。
FよりMのほうがしっくり来る自分はかなり負け犬。
<エムー・マリーノス♪>とフツーに歌えてしまうあたり、かなり重篤です。

負け犬なので、首位にいる阪神にいまだ慣れません。
何度順位表を見ても何かが違うような気がする。
巨人より上にいる阪神? は? 何かが違う。
チームはいまや勝ち組ですが、ファンはいまでも負け組です。

負け犬ですから、『負け犬の遠吠え』はかなり好きです。
負け犬の必読書というべきでしょう。
男女の違いこそあれ、世の負け犬女性にシンパシーを感じてしまうあたり、
負けてる指数はかなりお高め。
もし自分が女であっても……今の状況と何ら変わりはないでしょう。

実は最近気がつきました。自分は結構負けてるんだって。
たーのしーいよー。

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2005/08/27

あと6回

今日は整理中の本をブックオフにて処分。
たいしたカネにはならなかったけど、
段ボールひと箱ぶんの荷物が片付いたのは大きい。
あとはいま虐殺中のCD(80枚ぐらい)を処分すればだいぶすっきりするかな。
こっちはもう少しカネになると思うけれど。

本を処分した代わりに、安野モヨコの『働きマン①』と『美人画報ハイパー』を購入。
ここのところやや安野モードです私。最近の安野の画風はわりに好き。

bijin-hyper


夜、以前たまに顔をあわせていた友人(というか知り合い以上友人未満という感じ)
が亡くなられたとの知らせ。予感はなくはなかったものの、やや唐突でびっくり。
ひとりで逝くのはやはりせつないものなんだろうなあと、暫し感慨に耽る。
合掌……

さて、長々続いている【香港的小旅行記】ですが、
全35回ということで、残すところあと6回になりました。
最近は話の流れ上、2回ずつの掲載になっているので、
9月終わりには終了ということになりそうです。
もうちょっとだー。

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2005/08/26

【香港的小旅行記 第29回】

 ■タイムズ・スクエア:

 そごうを出た次は、駅から少し歩いた先にあるタイムズ・スクエアに行ってみる。ここは駅からちょっと離れているせいか、敷地が広い。正面入り口前に立ってみると、これは見事な建物である。でかい。重厚で立派。その外観は中環あたりのオフィスビルによくあるような必要以上に近代的な感じのものではなくて、タイムズ・スクエア的に適度な古さを残しながらも、古くなりすぎないモダンさも備えている。正面玄関前のスペースがもっとゆったりとってあるとなお見映えがしたとは思うが、これは土地の狭い香港ではむずかしい話だろうし、これぐらいの規模なら新宿にあるタイムズ・スクエアと較べてもほとんど引けを取らないと思う。
 中は実に広々としている。地上14階地下2階。広々としているということではランドマークと同じだが、かなりたくさんの買い物客が歩いているし(いささか多すぎはしたが)、ここにはランドマークにはなかった活気というものがある。
 建物の2Fから9Fまでは大きな吹き抜けになっていて、全体の様子がひと目でわかる。そういえばランドマークも、階数は少ないとはいえやはり吹き抜けになっていた。東涌のショッピング・センターもそうだった。よく知らないけど、吹き抜けというのは風水学的に見たら何かいいことでもあるのかもしれない。


File0179
(暗くて見づらいですが、タイムズスクエア内の吹き抜け。香港の建物はこういうところが多いです)


 建物の内部はフロアごとにテーマが分かれていて、10Fから上はレストラン街、9Fが子供用品、8Fが生活用品、7Fが家電、6Fがスポーツのフロアになっている。5Fから下はファッションが中心で、カジュアル&フォーマルな洋服のほか、雑貨や化粧品、それにマークス&スペンサーやレーン・クロフォードといった英国系のデパートも入っている。地下には飲食店や書店、ドラッグストアなどがあり、日本料理のお店や、なぜか回転寿司なんてものもある。回転寿司って香港でも人気あるのかな?
 もちろんフロアやショップによって多少の違いはあるけれど、全体的にみれば、ここは若者向けのショッピング・ゾーンという印象を受けた。そしてやはり僕なんかにとってはこれぐらいの雰囲気のところがいちばんしっくり来る。体が馴染む。
 ランドマークみたいなところももちろんそれなりの良さというものはあるのだろうけれど、ああいうショップというのは、スーパーマーケットにあるようないい意味での「その他大勢」的匿名性みたいなものが希薄だから、僕なんかだと変に緊張してしまう。それもひとつの慣れなのかもしれないけれど、ま、ああいうところはもっと歳をとってからでいいです。

 レストラン街と子供用品のフロアには用がないので、僕はエレベーターで8Fまで上がり、上から順に、おおまかに中のようすを見てまわることにする。
 7Fと8Fには電気製品のお店が多い。電器店のショウウインドウには、最新型の携帯電話が飾られている。こちらでは日本と同等か、あるいはそれ以上に携帯が普及していて、街中ではとにかくそこら中でみんなのべつまくなしにしゃべっている。こちらの携帯電話は日本と違って、折りたたみ式というのはほとんどない。むしろ幅広で画面の小さいやつが主流である。これはヨーロッパでも同じだ。
 まわりを見渡してみても、画面をのぞきこみながら親指をせっせと動かしている人というのは見当たらない。携帯を手に持っている人はほぼ例外なく電話を耳に当てて、大きな声で何ごとかをしゃべっている。メールよりも話すことの方が圧倒的に主流なのだ。メールがあまり重要視されていないから画面は小さいもので十分だし、そうなるとわざわざ折りたたみ式の分厚いものにする必要はない。彼らにとっては携帯電話というのはあくまで話すための道具であって、それを使って文字でやりとりするというのはあまり念頭におかれていないみたいである。
 そういう人たちから見ると、電車の中で乗客がみんなして携帯の画面を見つめている光景というのはかなり奇異な光景として映るかもしれない(僕もやってるので人のこと言えないけど)。まして写メだとかデコメールだとか、ムービー写メールなんてものの存在理由にいたっては、ほとんど理解不能なのではあるまいか。
 それともそういう光景というのは、彼らにとっては「日本人というのは子供から老人にいたるまで、すべての人がハイテク機器を操作しているすごい国だ/未来都市だ」というふうに見えるのかもしれない。どうなんだろうな。興味のあるところではあるけれど、ちょっとよくわからない。そういう話を聞いたこともなくはないけれど。
 そうそう、携帯といえば、こちらでは走っている地下鉄の中で通話をしている人がいるのを見かけた。地下の走っている電車の中で、である。これはどういうことなんだろう。こちらの携帯は少し方式が違うのだろうか? 香港の携帯は実は全部PHSだった、とかね。あり得るかもしれない。


File0177
(香港タイムズスクエア前。変にこぎれいじゃなくて、いい感じの建物でした)


 家電のフロアをもう少し歩くと、大きな家電量販店が見えた。安売りかどうかは知らないが、まあ日本でいえば、コジマとかヤマダ電器とかラオックスみたいなものだろう。
 香港の家電事情というものもぜひ見てみたかったのだが、それを見だすとまた大幅に時間を食ってしまうことは明白だったので、ちょっと気持ちを残しつつもパスしてきた。この頃には「あともう1日あったらなあ」などと思うようになっていたのだけれど、いまさらそんなことを言いたててみてもしょうがない。滞在日数は限られているのだ。
 ただ、店の外から中の様子を窺ったかぎりでは、品数の点ではかなりいい線をいっているように見えた。商品の質もよさそうだったし、雰囲気的にも日本の量販店に近いようだった。店舗の前に置かれた新型のテレビの中では安室奈美恵が歌っていて、何人かの客がその姿をじっと見つめていた。「ああ、安室奈美恵だな」という感じで。その視線は割と好意的なものに見えたから、安室奈美恵はこちらでもかなり人気があるのかもしれない。

 6Fはスポーツ用品のフロア。エーグルやコロンビア、パタゴニアのようなアウトドア系のお店から、フィラ、プーマ、コンヴァースのようなスポーツ・ブランド、それにマラソン・スポーツやロイヤル・スポーティング・ハウスといった大きめのスポーツ・ショップも入っている。
 香港の街中やスポーツ・ショップを眺めていて思うんだけど、香港ではスニーカーとかのスポーツ・シューズの人気がすごく高いみたいである。
 どのお店に行っても、そのお店のいちばん目立つようなところにナイキやアディダスやリーボックやニューバランスといった人気メーカーのシューズがたくさん並んでいるし、「スポーツ用品といったらまずシューズ」みたいな雰囲気がそこかしこに漂っている。油麻地からちょっと北に行った旺角の近くには、通称「スニーカー街」と呼ばれるスポーツ用品の卸問屋が集まる通りがあるし、道行く人の姿を見ていても、服よりも先に靴に気を使っているというような印象を僕は受けた。
 また『少林サッカー』の話になるのだが、この映画を見ていてとても印象に残ったことのひとつは、この映画の中では靴というのがかなり大きなアクセントになっているということだった。
 主人公のシンははじめ、穴のあいたボロボロのスニーカーを履いていたのだが、そのスニーカーが縁でヒロイン(ムイ)と気持ちを通わせるようになるし、その時ムイがほころびを直したボロボロのスニーカーが、ストーリーの最後になって大きな力を発揮することになる。
 また映画の冒頭の方では、シンが高級デパートのショウウインドウに飾られた真新しいスニーカーをじいいいっと見つめるシーンが出てくるし(そして彼はすぐにデパートの店員に追い払われてしまう。デパート側にしてみれば、彼のような貧しく汚い身なりの人なんて邪魔以外のなにものでもない)、別のシーンではたしか、シンがムイに向かって、「おまえに靴を買ってやる」みたいなことを言う場面もあったと記憶している(なかったかなあ?)。
 少林チームが勝ち進むようになると、チームのメンバーは新しいシューズを手に入れて、みんなで輪になってそれまで履いていたボロボロの靴を捨てる。まるで、そうすることによって自分たちの貧しい過去との決別を宣言するかのように。
 この映画を見ていて思ったのは、香港では、「いい靴を履いているということが、その人の人生の成功の証」みたいな意識があるのかな、ということだった。その人がどういう人生を送っているかということはその人の履いている靴に如実に表れるものだ、だから靴には日頃から気を遣うようにしなければならない、といったような。
 もし、香港における靴というものに対する意識が実際にそういうものなのだとしたら、そこまでの感覚というのは日本にはあまりないのではないかと思う。もちろん、電車の中吊りにあるような男性向けのファッション誌の見出しには、「この秋注目のブランド」とか、「即買いアイテム50」といったような購買心理を無意味に煽るようなコピーが載っていたりするわけだけれど、でもそこには「いい靴を履いているということが、その人の人生の成功の証」といったようなある種の切実さというものは、かなり希薄なのではないかという気がする。
 これは薄弱な根拠に基づく単なる僕の推測に過ぎないのだけれど、香港では靴というものが一種のステイタス・シンボルのごとくみなされているのかもしれない。


File0176
(銅鑼灣の街並みをもう1枚。バスはそのほとんどがダブルデッカー(2階建て)

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2005/08/25

【香港的小旅行記 第28回】

 ■中環~銅鑼灣:

 セントラル・ビルをあとにした僕は、ちょっとだけその界隈を歩いてみて、それから地下鉄の中環(セントラル)駅の構内へと降りる。ここからブルーの港島線に乗って、銅鑼灣(コーズウェイ・ベイ)まで行くのだ。
 港島線の中環と銅鑼灣の間には、金鐘(アドミラリティ)と灣仔(ワンチャイ)というふたつの駅があって、金鐘には高級ホテルや映画館、デパート、高級スーパーなどを併設した「パシフィック・プレイス」というこれまた大きなショッピング・エリアがある。時間があればここも見てみたかったのだが、このパシフィック・プレイスというところも、ランドマークほどではないにせよやはり高級なお店を中心に構成されているようだったので、ひとまずパスということにする。もし時間があるようなら明日見よう。
 金鐘からひと駅東に行った灣仔には大きなショッピング・ゾーンと呼べそうなものはなく、その代わりに「香港コンベンション&エキシビション・センター」という名前の大きな国際会議場がある。ここはアジア最大の規模と最新設備を誇る国際会議場で、5年前の1997年には香港の中国への返還式典が行われたところだ。写真を見てみると、シドニーにある有名なオペラ・ハウスみたいな感じの建物が海に突き出るようにして建っている。まあ横浜でいえば「パシフィコ横浜」みたいなものだろう。ここには大きな展示場もあるとのこと。
 きっと設備はすごいのだろうが、こういうところは実際に行ってみても建物以外には見るべきものがないことが多いので、ここもパスにする。それにここは灣仔の駅からちょっと距離がある。もっと涼しい時期ならともかく、今日みたいな暑さの日にそこまで行って帰ってくるのはかなり億劫だ。そういうわけで、僕はこのふた駅をすっ飛ばしてその向こうの銅鑼灣まで行くことにした。時間と体力の節約。


File0178
(香港島の北側を望む。真ん中がエキシビション・センターです)


 中環から銅鑼灣までの所要時間は6分。料金は覚えていないが、3駅しか離れていないのだから、おそらく6、7ドルというところだろう。
 銅鑼灣というところは、東京でいえば新宿とか渋谷みたいな街とでもいえばわかりやすいかもしれない。若者が多いし、中環に較べたらこっちの方がずっと庶民的な感じがする。おそらく同じ繁華街でも、中環→金鐘→銅鑼灣という順番でだんだん庶民的になっていくのだろう。銅鑼灣を新宿・渋谷とすれば、中環はまさに銀座や赤坂といった感じだから、僕がいまひとつ馴染めなかったのも仕方のないことかもしれない。となると、金鐘はさしずめ青山あたりといったところか。そういうふうに考えると、香港の街の構図もだいぶわかりやすくなる。
 銅鑼灣はショッピング・スポットの多い地域である。ハーバー・シティのように計画的に整備されて一箇所にぼこっと固まっているのではなく、渋谷とか新宿みたいな街と同じように、いろんな建物がその辺一帯に分散しながら建っている。
 中でも数が多いのがデパート。香港には日系のデパートがいくつか進出していて、銅鑼灣だけでも、そごう、三越、西武の3つが出店している。バブルの時代にはもっとたくさんあったのかもしれないが、いまは3つだけ。まあ一箇所に3つも出てれば十分だろうけれど。
 特にそごうは銅鑼灣の目抜き通りのすぐ目の前にあり、そごうの入り口が待ち合わせスポットになっている。新宿のアルタ前とか、渋谷のハチ公口みたいなものだ。
 やはり日曜日だからか、この辺りは人出が多い。すごく多い。人が多いだけでなく、道路にはバスやら車やらタクシーやらいろんな広告をべたべたと貼り付けたトラム(路面電車)やらがとにかくひっきりなしに走っているから、排ガスなんかのせいもあってむわああっと暑い。そごう前の交差点の人混みなんかは、ちょうど新宿や渋谷の雑踏を思わせる。
 もっとも、銅鑼灣という地域はそれほど広いところではなくて(これは中環や金鐘についても言えることだと思うけど)、広さで言ったら新宿・渋谷それぞれの3分の1か4分の1程度しかないところだから、「とにかくたくさんの人がいる」というよりは、「狭いところにぐちゃっと人が固まっている」と言った方がより正確なのかもしれない。でも「人口密度が多い」ということに関しては何の変わりもないので、この暑いさなかにこういうところを歩いていると、それだけで結構げんなりしちゃうことになる。


File0175
(銅鑼灣最大の待ち合わせスポット、そごう前。すごく目立ってます)


 屋外にいても暑いだけなので、とりあえず手近なデパートに入ってみる。まずはそごう。
 そごうは待ち合わせのスポットになっているだけあって、香港ではかなり人気のあるデパートみたいである。外も人が多かったが、中に入っても人混みの量は大して変わりがなかった。とにかく人がたくさんいる。中はどこに行っても歳末商戦まっただなかみたいなことになっていて、のんびり品物を見て歩くなんてことはなかなかできない。軽く何フロアか歩いてみたが、品物は結構いいものが揃っているけど、値段も結構高いので、「これは」と思うようなものにはめぐり会えなかった。まあべつに買い物がしたくてここに来たわけじゃないからどっちでもいいようなものだけど。ここで買ったのは、香港名物トラムのミニカーをひとつ(39ドル50)。


File0174

(銅鑼灣の喧騒。新宿や渋谷をもっとごみごみさせた感じ。暑いし)

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2005/08/22

ボブ・ディランとプロテスト・ソング

ディラン関係のことに少し触れたので書き足し。

『PLAYBOY』日本版9月号の特集は
「ボブ・ディランとプロテスト・ソング」というものですが、これが良い。
なにしろこういうのは自分的に超ツボでして。
こういう特集を組む雑誌はエライ。たまんねぇっす。
その点、『週プレ』のお粗末な記事とはずいぶん違う。

意外に良かったのが、ピーター・バラカン選の「プロテスト・ソング50」。
世代的にクリス・ペプラーの我々にとっては、バラカンはなじみが薄いんだけど、
この企画は参考になるっす。保存版だね。MXでちまちま集めよう。

pb9

ちなみにPB10月号の特集は、
「ローリング・ストーンズができるまで
  ――1963-72 ストーンズ黄金の10年を振り返る――」 ときたもんだ。
すばらしいっ!! ヌードなんかいらねぇぜ!!(←超嘘)

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2005/08/21

ワークショップ

なんだかワークショップづいてしまって。
8月だけで2回と、今度の水曜にもう1回。
うち2回は演劇の要素を入れたワークでした。
演劇は見るほうは数回あるけど、やるほうはない。
ほんのちょっとのさわりだけだったけど、
演劇にはまる人の気持ちが少しだけわかるような気がした。
たしかにあれは面白いかもしれん。

3つのワークショップに共通するのは、
五感と実感を大切にしていること。
頭は使わない。考えない。お勉強もしない。お勉強なんてクソッタレ。
自身、もう首から上のことはいい加減うんざりなので、
からだを使うのが新鮮なんだろう。いまの自分にはぴったりです。
♪さわってー、変わってー♪(あとなんだっけ?)

この日記(エッセイじゃなく、途中からはじめたこの日記)の
最初のタイトルが「からだからだ」だったのは何か因縁がありそう。
ちなみに最初のエッセイはボブ・ディランについてだったんだよね。
何事も最初というのは何かを含んでいるのです。きっと。

そういや今日は考える会の日だった。忘れてました。
つーか正確には2回思い出したんだけど、「まーいいや」ってすぐ忘れた。
ほんとね、ひきこもりについて考えてる場合じゃないのですよ、実際。
次回も次々回も出れないしねー。ま、そんな感じです。

それと。
何人かの方からお誕生日おめでとうメールを頂きました。
こういうのはいくつになっても嬉しいもんです。
不精ながら、この場を借りて御礼申し上げます。
どうもありがとーございました。またよろしくです。

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2005/08/19

五十日(ごとうび)

全然関係ない話。
うちの母方の家族はみんな五十日(ごとうび)生まれです。
べつに家族揃って運輸関係の仕事に就いているわけではないし、
五十日だからなんだということもないのですが。

もう二十数年前に亡くなった曾祖母は8月30日生まれ。
祖父は11月5日、おととし亡くなった祖母は5月10日生まれです。
母は3人姉妹の長女なのだが、上から順に、
25日、10日、15日生まれときています。
いちばん下の叔母は9月15日生まれなので、
長らく誕生日が敬老の日で嫌だったと思う。晴れて解放されて良かったね。

で、僕が20日生まれ。これで5日、10日、15日、20日、25日、30日と、
すべての五十日をコンプリしたことになる。
なぜ家族揃ってこういうことになるのかはわからない。
わからないけど、なんか好き。

小さいころから数字を覚えるのは得意な子だったんだけど、
こういうのが影響してるのかな。人の誕生日とかすぐ覚えるし。
「おまえが20日生まれだったからきれいに揃ったんだよ」
なんて言われた日にゃ、子どもながらに嬉しくなるもんね。
とはいえ、中学からの数学は大の苦手だったのですが。
うう、よくわからんよ。

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2005/08/14

『花みつ』読了

『花とみつばち』を読了。
少し余裕ができたんで、ベッドの上でうだうだしながら
ほぼ一気に読んでしまった。これはおもしろい。

おもしろい反面、あれ。せつないっつーか、イタイっつーか。
途中の部分はまだ笑って読めたけど、
最後の7巻あたりは自分の中で何かがきつかった。
『センチメントの季節』などと同様、どこかで身につまされてしまうらしい。
イタくて身につまされながら、しかし何度も読み返すんだろうなあ。
そういうマンガです。
おもしろいものはしんどいのだ。ははははは。
いやー、せつない。

というわけで、いまは『ショコラ』(窪之内英策)を読んでます。
マンガばっかしやなあ。ま、いま一応夏休みなんで。

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73.[31]

 ついこないだ気がついたんだけど、もうじき誕生日なんだった。
 やっ、べぇ~~~~~っっ!! てか知らなかったよ。だって、誕生日なんていちいち憶えてる必要ないしね。「だからなんですか?」ってなもん、最近は。「可愛げがないな」とは自分でも思うのですが、しかしいまさら、可愛げがどうとかいう歳でもねぇし。

 ……ってなわけで、あと1週間ほどでお誕生日になります。いくつになるのかというと、31。31になるご感想はというと、あんまし無い。正直言って、何も思いつかない。
 やはり30になるというのは自分なりに大ごとだったんだけど、それを過ぎるとどうもな。なんかもうどーでもいい感じ。強いて言えば、「31っつったら掛布の背番号だからまーいっか」ってぐらい。たいした感慨はないです。可愛げだってもちろんない。
 しかし今年は掛布だからいいけど、来年は何になるのかな? 32だから……って、32って誰も浮かばねぇし。高原? 久慈? 坪井?(レッズじゃなくて前阪神) どうもぱっとしねぇなぁ。33も全然浮かばないけど。巨人の江藤ぐらいしか思いつかねぇ。34? 35? あー、もうやめやめ! 歳取るってあんまいいことないわ。31で打ち止めあたりにしておいたほうが良さそう。あとはもう思いっきりすっ飛ばして51とか53あたりまでいくしかなさそうだね。まあそれぐらいまでは生きると思うけど。バリー・ジトとか星野仙一ぐらいまでいけばたいしたもんですが。

 いま思い返してもやっぱり思うんだけど、29の1年間がいちばんきつかった。きついっていうか、<息苦しい>っていう感じがいちばんぴったりくる。そう、なんか自分で自分に縛りを入れて自分を苦しくしてたっていうのかな。焦りもプレッシャーもほどほどにあったし、やはり30という「大台」を前にして、何か結果を出さなきゃいけないみたいな思いがどこかにあった。何をして「結果」と呼ぶのかはわからないけれど。
 でも実際30超えたら、なーんかな。急に自分の何かが変わるわけでもないし、偉くなるわけでも就職するわけでも突然サッカーが上手くなるわけでもなんでもない(なれよ少しは)。きのうと一緒のまんま、アナログの数字がふた桁同時に変わったってただそれだけ。2ヶ月くらい時間をかけて、自分が30になったんだってことを少しずつ受け入れて、そんでおしまい。ホント何も変わらなかったよ。
 でもね、ある時ふと気がついたら、30になることを恐れている自分はもうどこにもいなかった。だってもう30になっちゃったんだから、恐れるもクソもなかった。「30になることを恐れる自分」なんているはずがない。
 したら発見したんだ。29の一年間って、ずっと息苦しいまま過ごしてきたんだなって。あのときに較べたらいまよほど楽だよなって。「なんか俺いまちょっとラクじゃん」って思った。だからといって、自分を取り巻く事態が少しでも好転したわけではないのだけれど。

 最近なぜか、まわりに1個下の友だちが多い。特にサッカー関連ではそれが顕著で、75年生まれが5~6人いることがわかった。なぜか同い年は一人もいない。みんな年下。ゆえに、30になった感想やらなる感想やらがまとめて聞けることになる。
 あったりまえだけど、やっぱりひとりひとり、感想はみんな違うんだな。「気がついたら30になってた」とか、「いつもと同じ、ふつうに過ごした」とか、「自分に誕生日プレゼントを買った」とか、いろいろあった。けど総じて見れば、やっぱり30というのはそれなりに意識するものらしい。あたりまえか。そして「いつもと同じ、ふつうに過ごした」とはいっても、その裏にはどこか、「30になることを意識しないように、極力ふつうらしく過ごした」という感じが透けて見えた。あるいは、「見えたような気がした」。「過ごした」というより、「やり過ごした」といったほうが近いのかもしれない。そう、やり過ごす。
 何せ自分がそうだった。何のイベントもなく、ふつうに過ごしてその1日を乗り切った。何も考えないようにしてた。なぜ? もちろん恐かったから。何が? 自分が30を迎えることが。何をしたのかはほとんど憶えていない。極力ふつーに、何事もなく過ごそうとしたことだけは憶えているのだけれど……。

 でも超えたら超えたで、いまはこんなもん。「30過ぎたら厚かましくなった」と言った人がいたけど、それって結構当てはまるかもしれない。とりあえず自分には、ってことだけど。来年の今頃はどうしてるんでしょうねー。よくわかりません。まあそれはそのときになったら考えますわ。来年誕生日を憶えていたらの話だけれど。

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2005/08/13

【香港的小旅行記 第27回】

 ■HMV:

 ランドマークの中はとても広々している。地上階は真ん中が大きな吹き抜けになっていて、全体のようすがひと目で見渡せる。とてもきれいだ。そして建物の中は、こちらが拍子抜けしてしまうほど人がいない。今日は日曜だし、「香港ナンバーワンのショッピング・センター」というからにはさぞ人出も多いだろうと勝手にイメージしていた僕にとっては、これはひどく意外な光景だった。雰囲気的にはさっき見たペニンシュラのショッピング・アーケードに近い。きれいで清潔だけど、それは消毒されたかのような清潔さで、あまり活気みたいなものは感じられない。
 もちろんこれは「流行ってない」ということではなくて、ここに入っている店舗のほとんどが高級ブランド店だからである。ルイ・ヴィトン、ヴァレンティノ、グッチ、クリスチャン・ディオール、プラダ、フェンディ、ヴェルサーチ、セリーヌ、ミッソーニ、コーチ、ティファニー、ブルガリ。そういうお店ばかり。9月というのは夏のバーゲンシーズンが終わって間もなくなので、日曜日でも人出が少ない季節なのかもしれない。
 ペニンシュラでもそうだったけど、僕はこういうところにはほとんどまったくと言っていいほど心惹かれない。こういうところを見ているくらいだったら、さっきのハーバー・シティやトイザらスなんかを見ている方がよっぽど楽しい。それほど時間が余っているというわけもないので、省けるところはさっさと省いてしまいたい。よって僕は、香港の繁華街としては異様なまでに人口密度の少ない店内を大雑把に見てまわると、だいたい雰囲気がわかったところでさっさと外に出ることにする。正直言ってこんなとりすましたところに長くいたりしたら肩が凝ってしょうがない。

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(↑ランドマークを出たすぐところの街角。この辺りのタクシーの色は赤)


 ランドマークを出た僕は、次にランドマークの裏にある「セントラル・ビル」という名前のショッピング・ビルの中へと入っていく。迷うことなく入る。そしてエスカレーターでひとつ上のフロアに上がると、そこにはいつも見慣れたHMVの店舗が広がっている。オー、イエス。そう、ここにHMVがあることは事前に調べて知っていたのだ。そういうことはちゃんと調べてあります。ありますとも。
 まず僕はふらふらと中を歩いて大雑把に店内を見てまわる。ここは香港のHMVの中でも規模の大きい方だと書いてあったが、店舗のスペース的には「まあまあ」というところだと思う。変に小さくはないけど、でも新宿のタイムズ・スクエアのHMVに較べたらこっちの方が狭い。おそらく狭い。広さ的にはだいたい横浜のHMVと変わらないぐらいではないだろうか(こう書いていったい何人の人がその実感を僕と共有することができるのかはきわめて疑問だが)。
 そして香港にあるものというのはだいたいがこんな感じに狭くできている。少なくとも僕はそういう印象を受けた。基本的に繁華街地域の敷地自体が狭いので、ホテルにせよコンビニにせよデパートにせよ、ほとんどのものが宿命的に狭くコンパクトになってしまうのだ。もちろん全部が全部そうというわけではないけれど、でも全体的にそういう傾向があると言っていいと思う。
 「やっぱりこういうところは落ち着くなあ」なんてひとり呟きながら、とりあえず試聴機のヘッドフォンを耳にかける。その時聴いていたのはライフハウスの「スピン」という曲。前からちょっと気になっていた曲だ。
 「何もこんなところまで来て、貴重な滞在時間をレコード・ショップなんかでつぶさなくてもいいだろうに」と、これを読んでいるあなたは思われるかもしれない(自分でもちょっと思うけど)。でもダメなのだ。こういうところにいると、僕は「ああ、自分の場所に来たな」という気持ちになって安心してしまう。旅行中というのはいつもどこかで緊張を強いられているようなところがあるので、こういう時間が少しでもないと持たないのだ。まあ「ただ単にビョーキなのだ」と言ってしまえばそれまでなのかもしれないけれど、でもこの感覚をわかってくれる人は結構いると思うんだけどなあ。いないかなあ(そういえばパリに行ったときもヴァージン・メガストアでさんざん時間をつぶし、こないだカナダに行ったときも、モントリオールのHMVを物色し、U2のカナダ盤シングルを買いました。バカだ)。
 香港の物価は基本的に高いということを先ほどもどこかで書いたけれど、それはCDやレコードについても同じことが言える。やはり全体的に値段は高め。洋楽の輸入盤新品が98ドルから120ドル。1ドル17円で計算すると、1600円から2000円というところ。これだと日本と変わらないか、ものによっては日本よりも高いということになる。これはちょっとちょっとである。ならレコファンやディスクユニオンで買った方が安いじゃないか。どうやらレコードに関しては、香港はフリーポートの恩恵を受けているとはあまりいえないようである。
 ただし、旧譜に関しては悪くないかもしれない。たまたま手にとったニルヴァーナの『イン・ユーテロ』は68ドル(約1100円)だったし、それ以外のものもだいたいこれぐらいだったから、古いものに関してはこれぐらいが相場なのかもしれない。新譜は高いけど旧譜は安い、とかね。


hmv


 店内の端っこの方には、香港ポップスを置いたコーナーがある。ちょうど日本のHMVの端っこの方に邦楽のコーナーがあるのと同じように。僕は香港ポップスに関してはまったくといっていいほど無知なので、フェイ・ウォンやビビアン・スー以外の人についてはまったくわからない(ビビアン・スーはたしか台湾の人だったはずだけど、まあいいか)。
 香港ポップスのコーナーのさらにその一角には、日本のポップスのコーナーがあった。これは日本からの直輸入盤ではなくて、こちらでプレスされた製品のようである。帯にある文字が日本語ではなく全部漢字になっている。そして値段を見てみると、これが安い。日本では邦楽のCD1枚がだいたい3千円ぐらいするが、ここでは1枚100ドル(1700円)前後である。つまり洋楽であっても日本の音楽であっても、CD1枚の値段はほとんど一緒なのだ。これはちょっと驚きである。よもや日本より安いとは。
 その辺で目についたのは、宇多田光や濱崎歩、瀧&翼(タッキー&翼)、松浦亜弥、安全地帯など。決して「なんでも揃っている」というわけではないけれど、でもこの値段は魅力である。中身はほとんど一緒のはずなのに、なんで日本と香港でこんなに値段が違うんだよと思う。まったくどうしてなんでしょうね。地下鉄とかと一緒だよな。
 昨夜入った油麻地のレコード屋ではカセットテープが置いてあったが、そういえばここにはない。全然ない。なんでだろう? カセットテープを買うのは下町に暮らす低所得者層に限られるのかもしれない。あるいは「ハイソ」(死語)な人々にとっては、たとえ値段が安くとも、カセットテープなんぞを買うというのは「正しきこと」とはみなされないのかもしれない。どうなんだろう、ちょっと聞いてみたい気もする。
 また、こちらではDVDがとても普及している。ここのHMVにはビデオというものがなく、完全にDVDに切り替わっていた。これも中環というファッショナブルな地域にあるレコード・ショップのせいかもしれないが、でもDVDの普及率は日本よりも高そうである。(※2002年当時の話です。いまから3年前だ)
 そのほかにはVCDなるものがここにはたくさん置いてある。これはたぶんビデオCDの略なんだろうな、よくわからないけど。外見上はDVDみたいで、そのソフトの多くは映画やなにかだから、きっとDVDの親戚みたいなものではないかと想像する。DVDに較べてとても安く、1本が15ドルから20ドル。高いものでも40ドルくらい。値段にばらつきがある理由は不明だが、ともかく安いということから推測するに、若干収入の低い階層の人たち向けの商品なのかもしれない。
 店の端っこの方には、ほんの少しだけだけどアダルトソフトも置いてある。アダルトものって日本ではこういうところにはふつう置いてないから、この光景はちょっと意外だ。しばらく見ていたけど、棚の前で立ち止まって商品を見てる人はひとりもいなかった。いや、これは視界には入ってるんだけど、気まずくて知らんぷりしてるだけだと思うけどな。気にならないわけないもの。
 ……というわけで、ちょっとだけ置いてあるものをチェックしてみる(勇気があるのか、単にバカなのか)。値段までは見なかったけど、ぱっと見、洋モノと日本のものが半々ぐらいという感じに見える。でも正直言って心惹かれるというほどのものではなかった(買って帰る? まさか。品揃えだってよくないしね)。

 結局特に欲しいものがなかったので、財布にやさしく僕は店を出る。荷物も増えなかったのでこの結果はたいへん結構である。欲しいものがある時っていうのはほんとにすべてのものが欲しくなるのだ。節約できるところで節約しておかないと、後で困ることになる。経験的に、自戒を込めて。

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2005/08/12

【香港的小旅行記 第26回】

 ■中環:

 ハーバー・シティをだいたい見てしまうと、今度こそフェリー乗り場へと向かう。フェリーは上層デッキ(2ドル20)と下層デッキ(1ドル70)で改札口自体が違うので、どっちがどっちだか少しだけ迷ってしまった。
 僕が乗るのは上層デッキの方。上層デッキを選んだのはもちろん金があるからではなくて、2階席の方が景色がよく見えるから。特に尖沙咀から中環に向かう船からは香港島の高層ビル群が間近に見えるので、これは見ておかない手はない。それに上層と下層では料金の差はわずか50セントである。10円も違わない。
 船上から見える高層ビル群はやはりなかなか見事だった。空がすっかり曇ってしまったせいで、「感動!」と呼べるほどのものにはならなかったが、それでも結構な迫力がある。ひとつひとつの建物自体はそんなにむちゃくちゃ高いものではないし、ここに西新宿の高層ビルをそのまま持ってきたらさすがにそれには負けてしまうのかもしれないけれど、でもこちらのビル群はとにかく数が多くて横一面に広がっているから、建物の密集度と横方向への迫力という点では圧倒的にこっちに軍配が上がる。これは夜になったら夜景が綺麗だろうなと思わずにはいられない。ガイドブックにも、ここからの夜景が穴場であると書いてあった。
 7分間のフェリーの旅を終えて中環のフェリー乗り場の外に出ると、すぐその目の前にバスターミナルがある。尖沙咀側もそうだったけれど、ここからたくさんのバスが発着し、香港島のあちこちとこのフェリー・ターミナルとを繋いでいるわけだ。

 中環(セントラル)というところはその名が示すとおり、香港における金融と商業の中心地である。高層の近代的なオフィスビルが林立するビジネス街。東京でいえば、丸の内とか銀座とか品川みたいな感じといえば近いだろうか。地下鉄も彌敦道(ネイザン・ロード)に沿って走る赤の荃灣(ツェンワン)線と、金鐘(アドミラリティ)や灣仔(ワンチャイ)、銅鑼灣(コーズウェイ・ベイ)などの香港島側の主要地を東西に結ぶ青の港島線のふたつが乗り入れている。交通の便というところから見ても、まさしくここは香港の中心地といえる(僕はしばらくの間、このセントラルのことをひとりで「なかたまき、なかたまき」と勝手に呼んで遊んでいたのだけれど、誰も笑ってくれる人がいなかったので、じきに諦めて「セントラル」と呼ぶようになった)。
 中環での最初の目標は、中環の駅のすぐそばにある「ランドマーク」と呼ばれるショッピングセンターだ。このランドマークはショッピング・スポットが立ち並ぶ中環の中心的存在で、人気、知名度、規模など、いずれも香港ナンバー・ワンを誇っているとある。僕はそれほどショッピングに関心のある方ではないけれど、でも買い物天国香港で「ナンバー・ワン」とされるショッピングセンターがいったいどの程度のものなのかというのには興味があった。

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(↑九龍半島と香港島を結ぶスター・フェリー。香港の名物です)


 中環のバスターミナルに出てみて驚いたのは、バスターミナルの一角に大勢の若い女性たちが座り込んでいたことだった。それも10人や20人という生易しい数字ではなく、少なく見積もっても100人程度はいる。150人か、あるいはもっと。ここにいるのは全員女性。男はひとりもいない。顔立ちからすると彼女たちは中国系ではなく、どちらかというと南方系というか、フィリピン人っぽい顔立ちの人が多いようだった。
 彼女たちはバスターミナルの地面に思い思いに敷物を敷き、その上に座って何か食べながら飽きることなく延々おしゃべりに興じている。敷物の上には弁当やらポテトチップの空き袋やら食べ物の包み紙やら水筒やらが散乱していて歩きにくいことおびただしいのだが、彼女たちを注意しようなんて人はまったく見受けられないし、彼女たちも「ここは自分たちの場所」という感じで、くつろいだ表情でそこを動こうとはしない。
 地べたに座っているところだけを見ると、乞食の集団のように見えなくもないのだが、でも彼女たちはボロを着ているわけではないし、一応化粧なんかもしているように見えた。だいたい彼女たちの持ち物を見れば、彼女たちが乞食の団体などではないことはすぐわかる。それに化粧をした乞食だなんて聞いたこともない。
 彼女たちがここでいったい何をしているのかは相変わらず不明だったが、辺りには英語が話せそうな人が見当たらなかったこともあって、まあいいか、などと思いつつ僕は先に進むことにする。
 
 フェリー・ターミナルからランドマークまでは、バスターミナル横にある地下道をくぐって行く。地下道を出たところにスタチュー・スクエア(皇后像廣場)という広場があり、そこからふたつほど通りを渡ると、そこにランドマークがある。フェリー乗り場からの距離はおよそ300メートルというところだ。
 スタチュー・スクエアのすぐ正面には、そのビルの形状から「油田基地」と称された香港上海銀行(HSBC)のビルが建ち、その斜め奥には、全面ガラス張りで三角プリズムのような斬新な形をした中国銀行のビルが見える(こちらの俗称は「剣」)。このふたつのライバル銀行の建物が香港返還前にその形状をめぐって大きな風水論争を巻き起こしたことは僕も知っていたので、実物を前にして「ああ、これが例の風水ビルかあ」という感慨に打たれた。でも現場で実物を見た感想を言えば、中国銀行の方は噂に違わぬ斬新にして奇抜なデザインだとは思うけど、HSBCの方は「あんまりおもしろくないな」というのが率直なところだった。
 スタチュー・スクエアに出ると、ここにも女性の集団がいる。さっきまでよりも数が多い。200人か、300人か。とにかくすごい数だ。スタチュー・スクエアだけでなく、その近隣のビルの外にまで溢れている。いったいなんなんだこれは。ここでも彼女たちはビルの陰の地べたに座ったり、広場の噴水の囲いの上に腰かけたりしながら、何かを飲み食いしつつ延々おしゃべりに興じている。
 あとでものの本を読んでみると、彼女たちはどうやら「阿媽」と呼ばれるフィリピン人のメイドたちであるらしいことがわかった。このスタチュー・スクエアでは、平日の昼間にはビジネスマンがランチをとっているとのことだが、日曜日には「阿媽」と呼ばれるフィリピン人のメイドが集まって賑やか、とある。そういえば今日は日曜日だ。日曜日の昼間にオフィス街にこれだけの大量のメイドが集まっていったい何をするのかは不明だが、これを読んだことでまあなんとなくわかったような気にはなれた。「阿媽」の「阿」というのは、「~ちゃん」とかいった愛称だから(たしか)、「阿媽」というのは「メイドちゃん」とか、「フィリピン娘ちゃん(変な日本語)」といったような意味なのかもしれない。それにしても彼女たちはいったい何をするんだろう? 謎だ。

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2005/08/11

聖闘士星矢

に似てるとか言われましたが、どうしたもんでしょ?
「見れば見るほど、岡本さん聖闘士星矢に似てきた」って……。
はははははははは。えー? どこが似てるんだろー。
そのうちペガサス流星拳とか言い出すんだろーか。うーん。

いままでいろんな人に似てるって言われた。
たとえば、つんくとか、つんくとか、つんくとか(計3回。号泣)、
あと西条秀樹とか、えーと、あとは忘れた(もういい)。
どれも「えーっ?」って感じ。
誰か一人ぐらい、「玉山鉄二に似てるね」とか、
「竹之内豊みたいでカッコいいよ」とか、
言わねーのかっっっ!!!(涙)

しかし聖闘士星矢はまた新たなベクトルだなあ。
迷走は続く……。

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2005/08/10

ライブのない夏

友達から、
「こんど逗子のほうでCHARAの出るフェス?があるらしいよ~」とおそわる。
サマソニもギミギミズも取り逃がしてしまったし、
なんか行けるものがあったらいいな~とは話していたのだが。
おお、CHARA。悪くないね。いいね。ってんでちと検索してみた。

おお、たしかにある。
逗子にある海の家みたいなとこ。ハコは小さい。
が……、もう売り切れ。
小さい規模でやるみたいだし、いいなーと思ったのだが。
つか土曜じゃ俺行けねぇし。現実は難しいねぇ。

今年はライブなしの夏のようです。花火もなかったけど。
はぁ……。なんかつまらん。

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2005/08/09

花とみつばち

只今のマイブームは『花とみつばち』(安野モヨコ)。
なんとな気に読み始めたラブコメですが、なかなかこれが。
基本的に『Bバージン』(山田玲司)とか好きなのでわりにツボ。
(ま、負け犬体質……??)
キャラが動き出した2巻からが面白いです。
現在ブックオフでまとめて買ってしまうかどうか思案中……。

hanamitsu

岡野玲子『陰陽師』12巻もこないだ購入。
全12巻と銘打ってはいたけど、結局13まで続くとのコト。
無理に1冊にまとめられなくはないけど、したら辞書並みになっちゃうよね。
今秋刊行が楽しみです。

あとは『ラストイニング』6巻と『Dr.コトー診療所』17巻。
『ラストイニング』はちょうど夏の甲子園中ということで、また別の楽しみが。
『Dr.コトー』は安全確実に楽しめる。でもややマンネリ気味。刺激なし。
こんなもんですかねー。

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2005/08/05

笑うロボット

今日はひさびさの通院日なので、船橋までお出かけ。
最近は6週から8週に1回のペースで通院してる。
「必要なのか」と言われれば「うーん」というところだが、
でも行ってる。当分やめるつもりはない。

いまのメインはたまきちの診察ではなくカウンセリング。
といってもカウンセリングらしいカウンセリングではなくて
(カウチに座って口髭のカウンセラーがあれこれ質問するようなあれではない)、
近況を話しながらよもやまを整理する自己確認の場みたいなもんです。
ゆえに、担当医の診察はいわばおまけのようなもの。

しかし今日はうちの主治医(たまきち)、やけに機嫌が良かった。
おまけになんかやけに髪が伸びてて、Dr.コトーの吉岡秀隆みたいな頭になってた。
「離島の名医」って柄でもねーでしょーに。
そのうえなんかやけに太ってたぞ。薬の副作用なんかと思うぐらいに。
なーんか謎だなー。
あんまり機嫌がいいのもそれはそれで不気味なんですけど……。
妙にニコニコしてるロボ。笑うロボ。
まったくいったいどうしちゃったんでしょ、あの人??

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2005/08/02

【香港的小旅行記 第25回】

 ■トイザラス探訪:

 フェリー乗り場の建物は、お世辞にも「きれい」と言えたようなものではなかった。接岸してあるフェリーを見ても、決してきれいとは言えない。朝夕の通勤にも使われているせいか、遊覧船みたいな優雅なものじゃなくって、かなり実用的に汚らしい代物である。
 このままフェリーに乗って、早めに香港島側に渡ってもよかったのだが、フェリー乗り場のすぐ正面には「ハーバー・シティ」という大きなショッピング・プラザが見えたので、先にそっちに行くことにする。中の様子を見てみたかったというのもあったし、ペニンシュラのアーケードを出て以来ずっと屋外に出ていたので、しばらく冷房にあたっていたかった。暑いのだ。

 「ハーバー・シティ」は尖沙咀の西側の端、おそらくは以前港湾施設か何かが固まってあったところに、再開発のようにして造られた施設のようだった。いくつかのショッピングセンターのほかに、大きなホテルが3つ、スーパーマーケットが2つ、ほかにはディズニー・ストアやトイザラスなども入っている。
 なんでもこのハーバー・シティ全体を総称して「ハーバー・シティ700」と呼ぶらしく、その名のとおり、ここには全部で700もの店舗が入っている。横浜でいえばランドマーク・プラザみたいなものだが、規模だけで比較すれば、おそらくランドマーク・プラザの何倍にもなるだろう。そしてそのすべてを併せて考えれば、ここが香港最大のショッピング・センターになる。ひとつひとつの店舗は割と小さめなのだが、まあなにしろ広い。まじめにひとつひとつのお店を見ていたらそれこそ数日がかりである。よって、ここは足早に大まかな雰囲気を見るだけにする。いちいち見てたらキリがない。
 でも、ひとつだけ僕が足早に通り過ぎることのできないところがあった。トイザラスである。特に何かほしいものがあったわけではないのだが、でもこういうのを見かけると僕はつい中に入ってしまう。「トイザラスなんて日本にだっていくつもあるのだから、何も香港まで来て見なくたって」とも思うのだが、でもダメなんだなー、こういうところにいるとなんとなく落ち着くのだ。


toysrus


 トイザラスの中のレイアウトはだいたい日本と同じような感じだ。まあもともとがアメリカからやって来たものだから、こういうのはどこの国に行っても同じなのかもしれない。香港にしては敷地はゆったりとってあって、日本の店舗より若干広いような印象を受けた。これはやはり立地の問題なのだろう。
 入り口から見て店内を半周した一角に、いきなりプレイモビル(※ドイツ製のおもちゃ。日本ではまだあまり知名度がないが、ヨーロッパでは町のおもちゃ屋やスーパーでもふつうに売っている。雰囲気的にはレゴに近いかも。この時僕が見つけたのはドイツ限定の品で、日本にはほとんど入荷しなかった商品。「ドイツ限定」で日本にもほとんど入らなかったものがなぜ香港にたくさんあったのかはいまだに謎だ)のコーナーを見つけてしまった。日本ではまだあまり知名度がないけれど、僕はこれが結構好きで集めたりなんかしているのだ。日本のトイザラスではプレイモビルは扱っていないから、それについては全然期待していなかったのだが、なぜかここには置いてある。そしてさらに驚いたことには、僕がずっと欲しくてあちこち探しまわっていたドイツ限定版のモデルが、こんなところに5つも6つも積んである。なんてこった。僕は我が目を疑う。そして僕は興奮状態を通り越して半ば有頂天になり、「これだけは何が何でも買って帰る」と固く決意することになる。すばらしい、何たる天恵。


logo


 いったんプレモのコーナーを後にして少し歩くと、モデルカーを置いたコーナーがあった。それもトミカみたいな子供向けのじゃなくて、もっと精巧で気合の入った大人向けのやつである。専門店で扱っているような、ちょっとマニアックなもの。いや、弱いんだよなあ、こういうの。本当はこういうところにはあんまり近づいちゃいけないんだけどな。
 「でもここは香港なんだから値段は日本とそんなに変わらないだろう。日本で買ったって同じだよね」などと思って値札を見てみると、げげげ、安い安い安い。なんじゃこれは。日本だったら9千円近くする18分の1スケールのF1カーが240ドル(約4千円)。同じく日本だったら5千円は下らないと思われるラリー・カー(プジョー206)が60ドル(約千円)。三菱のパジェロ・ラリーが同じく60ドル。長さで20センチ、高さは10センチくらいある香港仕様のダブルデッカー・バスが40ドル(約700円)。日本のトミカをもっとマシにしたぐらいのミニカーは全部10ドル(170円)。その他、日本だったら数千円はしそうなものが、6~700円程度の値段しかついていない。はっきり言って安すぎる。
 ああああああ、やばいやばいやばい。こういうのはまずい展開だ。明らかにまずい。ヒジョーに危ない。明らかに僕は理性を失いつつある(そんなものがまだいくらかでも残っていればの話だが)。僕には目の前に山と積まれたモデルカーたちが宝の山に見えだし、そして僕は5歳の子供に帰ってしまう。そしてそのとき僕が5歳の子供とただひとつだけ違っていたところは、財布の中にはこれぐらいのものだったら買えてしまうだけの現金が入っているということだった。つまり買おうと思えば買えてしまうのである。さあどうする??
 僕は特に食事に凝る方でもなければ、服を見てまわるのが何より好きというタイプでもない。ゆえに香港に行っても欲しい物なんてたいしてないだろうと思っていた。実際、ここまではそのとおりだった。でもしかし。これはこれは、とんだところで大きな落とし穴だった。モデルカー? まさかね。それは考えていなかったな。香港とモデルカーだなんて、どう考えても繋がらないもの。
 そしてここまで特に買いたい物のなかった僕には、この時点でわりとお金が余っていた。ここまでに使ったのは家から成田までの交通費、菓子パンとおにぎりと水。香港に着いてからは、バス代と電車賃と、2泊分の宿泊費とコンビニでの買い物分だけ。必要経費を除けば(食料と水だって必要経費だけど)、ここまで2千円ぐらいしか使っていなかったのだ。金が余っていても特に不思議はない。
 ただひとつの問題は、今日は荷物になるようなものは今日あまり買って帰れないということだった。今日はこれから香港島に渡っていくつか見たいところもあるから、極力荷物は作りたくない。「これだけは買う」と決めたプレイモビルは結構大きなものだし、こんなものを抱えたままあちこち歩くなんてとてもじゃないけどできない。ここのトイザラスは夜の8時には閉まるだろうけど、それまでにここに帰って来れるだけの自信はなかった。なにしろ僕のことだから、いろいろ見だしたら止まらなくなって、結局こっちに帰ってくるのは夜遅くになってしまうに違いない。夜の8時だなんてまず無理だ。それにいまだって現にこうして予定外のところで時間を食っているのだ。8時までにここに戻ってくるなんてほとんど不可能と言っておくべきだろう。
 よって本日の結論としては、買い物をするのは明日にして、今日のところはこのままおとなしく店を出るということにする。ほかに欲しいものが出てきたとしても、それも含めて明日になってからだ。それに一晩あいだをおいてからの方が、僕だって少しは冷静に考えることができるだろう。
 そう決めてしまうと、僕は手帳に商品の名前と値段をメモしてから、後ろ髪を引かれる思いでモデルカーのコーナーを後にした。待っててね、明日必ず来るから。


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 香港のトイザラスで興味深かったことのひとつは、ここでも日本製のおもちゃがとても多く売られていたということである。セブンイレブンとまったく同じだ。たとえば「とっとこハム太郎」みたいに、外箱に日本語が書かれたおもちゃがごく普通に並んでいるし、こちらの家族連れもそういうのを抵抗もなく手にとって眺めては、ショッピング・カートの中に入れている。彼らには漢字は読めてもひらがなやカタカナは読めないはずなのだが、そんなことは彼らには気にならないようだった。
 その先のコーナーにはガンプラ(ガンダムのプラモデルね)がたくさん並んでいた。もちろん日本製で、表記も日本語。たくさん並んでいるというよりは、ほとんどトイザラス的に山積みになっている。日本での光景と何の変わりもない。
 ガンプラの値段は日本よりも少しばかり高い。ゆえにここでガンプラに心乱されるようなことはないのだけれど、でもこれだけガンプラが人気があるというのは僕も知らなかったし、同時に意外でもあった。こちらではガンダムをテレビで放映とかしているのだろうか? してるかもしれないな。前にイタリアで「聖闘士星矢」や「トランスフォーマー」(ありましたね)をやっているというのをテレビで見たことがあったし、スペイン語版のドラえもんなんてのもあったぐらいだから、香港でガンダムをやっていたとしても特に不思議はないのかもしれない。そういえば昨夜だって「救命病棟24時」をやっていたものね。
 さらに店内を歩くと、お決まりのテレビゲームのコーナーに出る。やっぱり香港でもテレビゲームは人気があるようだ。
 それほどゆっくりもしていられなかったのでざっとしか見なかったのだが、ハードとしてはプレステ2やX-BOXなどが置いてあるようだった。前にカナダに行った時に現地のコーディネーターの人に聞いたら、向こうではプレステ2全盛とのことだったので(「え? ドリームキャストですか? 最初は人気あったけど、いまはもうほとんど見ないですねえ」)、プレステの勢いはこっちでも同じなのかもしれない。
 入り口近くのレジ前に戻ってくると、ここにはチョコエッグやらキンダーサプライズといったおまけつきお菓子(おもちゃ付きお菓子? こういうのはいったい何て呼べばいいんだろう?)が大量に積んである。よく知らないけど、日本で売ってるその手のものはほとんど揃っているのではあるまいか。もちろん外箱の表記には日本語がたくさん並んでいる。しかし日本のものなら何でも揃っているんだな。香港でチョコエッグに出会うなんて、まったく思いもしなかった。

 トイザラスを出てからは、また辺りのお店の様子を見ながら歩いていく。幸いなことにトイザらスのほかには僕の心を捉えて離さないようなお店は見当たらなかったので、僕は足早に中を見てまわることができる。本当はスーパーの中をゆっくり見て歩きたかったのだけど、それをやりだすと間違いなく夕方までかかってしまうから、ここは泣く泣くパスして次に向かう。それ以外は大きな書店にしばらくとディズニー・ストア、それからスポーツ・ショップとドラッグストアに少し寄っただけである(ここの書店は大きいんだけど、ほとんどが英語の本なのでそんなに見るべきところはなかった。ただ、ここでも、日本のファッション誌がたくさん置いてある。もちろん日本語のやつ)。
 建物の中は冷房が効いているせいか、長いこと歩いていてもそんなに疲れない。そんなに違うもんだろうかと思っていちどテラスのようなところに出てみると、たちまち「むわあっ」という例の蒸し暑さに捕まってしまい、僕は耐えられなくなってわずか10秒あまりでまた屋内に帰ってきてしまった。こりゃやっぱり外は歩かない方がいいわ。うん、マジで。

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