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2005年10月

2005/10/30

つっこ Vol.II

天野月子のLIVEを観てくる。
品川のステラボールというところ。スタンディング。

前回渋谷のBOXXで見たときは、
1.ステージ正面ではなく横のほうで観てしまった。
2.すきま風なのか、ハコの中が妙に寒かった。
3.精神的に調子の悪い時期だった。
等の理由で、なんだかうまく流れに乗れなかった。

今回は体調も良いのでマシかなと思いきや、
あまり状況は変わらなかったですね。
バンドの演奏は良いのだがこっちが乗れない。
いまいち心に火がつかない。そんな感じの2時間でした。

この不完全燃焼感はいったい何に由来するのだろう?
Offspringのような暴れ飛び跳ね系のLIVEじゃなかったから?
客層がおとなしかったから? 本当のところあまり好きじゃない?
いやあ、正直わかりません。
でもまるで酔えない飲み会に出てるみたいで、ちとしんどかったです。
ま、これも経験ですね。


a_moon_child_in_the_sky

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2005/10/29

78.無定見の自由

 僕の書くエッセイはいままで、わりに長いものが多かったのですが、これからたまに、少し短めのものを載せていこうと思っています。
 これはこのブログ用に書いたものではなく、月に2回やっている「横浜・生き塾」というところで書いたものに、若干の手直しを加えたものです。というか、すでにここで書いたものを何度か載せているんですけどね。

 この「生き塾」での文章の特徴は、手書きで書いていること。ふだんこうしてパソで書いているので、手書きというのはひどく新鮮です。限られた時間の中で1発勝負で書いているので、あとのことを考えず、思いつきで書いてしまいます。そこがまたふだんと違って良かったりするんだけど。

 今日のはそのはじめての参加のときに書いたもの。いちばん最初に書いたものがいちばん出来が良いというのはありがちな話ですが、いまだに気に入っているので載せてみます。さて、一体いかがなものでしょうか――。

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 「何を書いてもいいよ」というので何かを書いてみるわけですが、実はこの「何でもいい」という状態がいちばん難しかったりします。さて、何を書いていいものやら。

 で、思うのですが――というか、これは前々から考えていることなのですが――自由というのはわりにしんどいものなんじゃないかという気がします。ある程度までの自由ならともかく、無定見の自由というのはなかなかの曲者ではないかと。

 ひきこもりの人、あるいは無業の人というのは時間が余っています。1日24時間、週7日、365日、自由な時間がある。それをして親や家族は(特に「理解のある」家族は)「なんでも好きなことをしていいんだよ」と、これまた理解のある言葉を投げかける――。でも、何をしたらいいかわからないんですよね。旅行に行くとか勉強するとか、あるいは思いきって海外に行くなど、いろいろ選択肢はあるのだけど、何一つ実行に移せない。そしてまたいつもの無為な時間をすごしてしまう。それのくり返し……。

 少し仕事を始めてわかったのですが、自由になる時間が少なくなるほど逆に遊ぶんですね。この日とこの日とこの日しか休みがない。なら買い物に行くのはこの日。別のこの日にはサッカーを観に行こう、というように。選択肢が少ないので迷いも少なくなるし、少ない日にちを生かすためにほぼ確実に予定を実行に移すので、奇妙な逆転状態が起きたりします。忙しく働いている人ほどバリバリ遊ぶというのもこの文脈の延長線上にあるわけですね。逆に暇がたっぷりある人の方が時間を無為に過ごしてすごしてしまいがちになる――。

 自由になる時間が少しだけ減った分、逆に僕としては考えやすくなりました。ラクになったし、迷いが減った。それが最近の僕の状態です。それで思うのは、いまの世の中選択肢が多すぎるんじゃないかな、ということ。豊かになってたくさんの自由を我々は手にしているわけですが、そのことが別のかたちで我々を苦しめているのかもしれない。豊かさって何だろう?自由ってそんなにいいものなんだろうか?
 ――といったようなことが、最近気になっている、よく考えてしまうことです。なんだかずいぶん大きな話ですが。

   (2005年4月14日 wrote)

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2005/10/28

Small Baseball

明日はアストロズを応援しようと言ってる矢先からアストロズの負け。
今年は日米合わせて、応援したチームの成績が0勝8敗。ひどいもんだ。
でも3年に1回ぐらいはSWEEPで終わるシリーズってあるんですよね。
何も日米同時にやらなくてもいいんじゃないかとは思うけれど。

さて、千葉ロッテが阪神に圧勝した理由についていろんなところで
論評されていますが、実はあれなんですよ。
阪神タイガースと千葉ロッテ、
ともに白地に黒の縦じまの入ったユニフォームを着用しているんですが、
阪神はこのストライプの数が33本、対する千葉ロッテは35本なんですね。
この違いが最後にものを言ったわけです。

ちなみにニューヨーク・ヤンキースのピンストライプは37本もあります。
さすが名門ならではというところでしょうか。
これからはみなさんも気をつけて数を数えてみてください。
それでは。

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2005/10/26

終戦(「ロッテより弱い」)

どうもお疲れ様でした~~~~。

なんかあっという間やったなあ。
今日の結果も友達からのメールで知ったし。
「あ、そう? やっぱ負けたん?」みたいに。
いけない阪神ファンです。ふふ。
ともあれ、千葉ロッテマリーンズの健闘を讃えたいと思います。
素晴らしい戦いでした。おめでとう!

明日はアストロズを応援しよう。
せめてクレメンスをもう1回見たいぞ。

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2005/10/23

ナナオサカキ再び

下記のひきこもりイベントのあとは、
金沢文庫まで取って返して詩人・ナナオサカキさんのイベントに行く。
去年も参加してすげー良かったので楽しみにしてた。

予想されつくしたことであるけれど、
ナナオさん、1年前と何にも変わらない。いたって元気。ほんとに82歳か?
うちのじいさんと同い年ィィーーーー!
ただ耳は若干遠くなっている模様。去年もそうだったかなあ?


詩の朗読を聴いて思ったけど、この人すんげーパンクだよ。
皮肉の効いた社会風刺は後年(!)のボブ・ディランの詞にも通ずるものがある。
パティ・スミスなんかもその系譜の下にいるんだよね。
(「下」ってとこがすげぇんだが……)

ただ誤解してはいけないのは、「パンク」それだけじゃないってこと。
パンク的要素はこの人の一部分でしかないんだなあ。
ビートもヒッピーも詩も放浪もこの人の一部でしかない。
どれか一部分だけで切り取ろうとすると、ちょっとズレたことになるかもしれない。

ほか、感想。(去年と被るところは割愛)
手が大きい。しかし握手した感じでは手は柔らかい。
基本的に過去のことには興味がない。
ケータイは持たない。樹海は好き。風呂は入るらしい……。
あと、ナナオさんとおおたか静流さんとのデュエットは良かった。
いや、実にいいもんを見させてもらってしまった。
このふたりにビョークを混ぜたいと思ってしまったのは自分だけでしょうか?
「メダラ」のアルバムに入れてもフツーに通用すると思うんだけど……。

と、良いことずくめのように聞こえますが、
自分的にはとある考えごとが頭からずっと離れなくって、
打ち上げを含め、終始イベントに集中できなかったのは厳然たる事実。
来年はその辺すっきりさせてからまた聴きたいなあ。
あと22回、ホントにできたら嬉しいです。

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「首都圏版 社会的ひきこもり支援ガイドマップ」発行記念イベント感想:これが実情なのか……?

日中、御茶ノ水に
「首都圏版 社会的ひきこもり支援ガイドマップ」発行記念のイベントを見に行く。
30分遅れで着いたのではじめのほうはよくわからなかったが、
第1部のパネルトークは一人当たりの発言時間が長すぎて
深い議論にならなかったのは少し残念。

斎藤環の「(どことは言わないが)民間団体のリーダーの中には
バランスの悪いと思われる人が散見される。
ただ、そういう変わった人でないとやれないというのも実情」
という趣旨の発言や、
「民間どうしのネットワークや、行政と民間のネットワークづくりが大事」という
指摘には大いに共感。
その中で<神奈川県がそういった部分で進んでいる>という話が出たが、
うーん、その神奈川だってまだ十分とはとても思えないんですけど……。

それから、<サポートセンター>じゃなくて、<サポートプラザ>ね。
よく間違えられるんだ。宣伝周知の仕方が足りないということなのでしょうが……。

あとでガイドマップをはじめて手に取ったが、
民間はともかく、行政関係の情報量が少ないのにビックリ。
神奈川なんて横浜市の青少年相談センターだけじゃん。
精神保健福祉センターは? 青少年センターは?
横浜市こころの健康相談センターは? 各地の保健所は?
をいをい、これが実情なのかと思い知らされた気がした。
取材をしてないのではない。行政側が取材に答えていないのだ。
あるいは民間レベルでこういう取り組みがあることを知らないのだ。
なーんじゃこりゃ。
その「進んでいる」神奈川においてさえこの惨状なのかと暗澹たる思いがした。
行政と民間のネットワーキング以前に、
関係機関の職員研修から始めなきゃダメじゃん。全然ダメ。
熱心に取り組んでいるところは熱心にやっているというのに……もったいな。

ひとつあるなあと思うのは、
民間団体の場合は生き残りや営業の必要性があるから、
自然、自分たちのPRに熱心になる部分があるんだけど、
行政はそゆとこ鷹揚っていうか、
「PRしてもしなくてもてめーらの給料は変わんない」ってところ。
あくせくしなくていいのは良面なんだけど、それが悪いほうに出ちゃってるというか。
そもそも行政はPRどヘタだしね。
「広報に載せたらはい終わり」って思ってますから。
そんなヌルいやり方じゃダメなんだけどねー。

ああ、なんか疲れてしまった。
とまれ、ガイドマップ作成スタッフの皆様にはほんとお疲れ様。

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2005/10/21

デニムバカ、大いに買い、そして大いに語る

また買ってしまいましたぁぁあぁあ~~~~~。
DIESELのデニム。今度は黒いの。
手持ちが青いのばっかだったから黒を1本と思い。
いや、正確には黒のジーンズも1本持ってはいるんだけど、
正直リーバイスじゃあね。いまさら履く気しませんよ。
何せもっといいやつをたくさん知ってしまったから。
いまさら下に戻ることなどできません。
ええ、あくまでもオカモトはメジャー志向、上昇志向っすから。

これで「1ヶ月にデニム1本」を6ヶ月継続中。
税込みリペア代込み3万9千円は痛かったがしかし許す。OK。DISELなので。
デニムは1本平均3万ぐらいは出してるしね。

これでひと通り欲しいのは揃えたので、次はコートかなあ。
今年こそはまともなのをいっちょ買います。あとはブーツも欲しい。
ブーツカットにスニーカーはちと合わないのだな。


就労(あるいは労働)の意欲は欲望から生まれる。
欲望が次の欲望を喚起する。これが最近の持論です。
自分で稼いだお金で誰にも気兼ねせずに欲しいものが買える。
好きなことに使える。これってとても素敵なことだと思う。

昨今、「若者の自立」をむやみに煽る傾向がいっぱいあるけど、
「いったい何のための自立なんですか? それって楽しいんですか?」
って俺は言いたい。自立のための自立なら誰も進んで参加しないよ。
社会規範としての、「かくあらねばならない/~せねばならない」的自立なんて
楽しくもなんともないもん。しんどいだけじゃん。つらいだけじゃん。
それよか物欲や色欲で「誘惑」したほうがよほど健全だと思うけどなあ。
どうなんでしょう?

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2005/10/18

THE OFFSPRING !!!

観てきましたっ!!
新木場のスタジオコーストまで。
なんつってもキャパ2000だか3000のクラブ・ギグ!
ふつうなら武道館あるいはそれ以上。しかも椅子席。
これはもう行くっきゃない、観るっきゃないでしょう。お得だよ。
ということで、雨のそぼ降るなかを京葉線に揺られ。

しかしライブ当日はいつも「めんどくさ」と思ってしまうのは僕だけですかねぇ。
「今日は楽しみでドキドキ!」みたいなのってないんすよ。
これはいったいもってどういうものなのか……。

そのスタジオコースト、思ったより見やすかった。
もっとでかいハコかと思ってたけど、それほど大きくは感じられず。
縦に長いわけでもないので、もしかするとZEPPとかよりも見やすいのかもしれん。
ZEPP TOKYOは最近あまり流行らないみたいですしねぇ(行ったことないけど)。

そのライブ。
半ば予想されたことではあったけれど、結構若い子が多かった。
「子」とか言ってる時点で年齢を感じさせますが気にしないしない。
まわりから見たら、「えー何この人? オールド・ファン?」とか
思われてるかもしれませんが気にしないしない。
「こっちぁオマエらの年のときからこのバンド聴いてるんじゃ!
年食ってあたりまえだろがっ。どアホ!!」
などと大人気ないことを言ってみたい気もしますが、もちろん口には出さず。
言ってもむなしくなるだけからねー。

にしても、若い女の子が多かったのはずいぶん意外でした。
小さい子はスタンディング辛そうでいつも気の毒になります。


offspring


しかしオフスプリングも聴きはじめてかれこれ10年なんだな。
「SMASH」がヒットしたとき以来だからちょうどそんなもん。
こっちも年食ったがメンバーも年食った。
ほんと、デクスターっていまいくつなんだろう?
(しかしヌードルももういいオヤジだよな……)

ま、冷静にライブを観てもつまんないだけなので、
とっとと真ん中のほうに陣取って開演を待つ。
前座のTHE AQUABATSはパフォーマンス的に見て
なかなか楽しくっておもろい奴らでした。
音楽的にどうなのかというのはまた少し別の問題ですが。

で、今日は病み上がりで体調いまいちだったので、
前半は自制しておとなしく観る。
フロアほぼ中央にて仕切り後ろの良位置をキープ。
意外に観やすかったのでアンコール前までは穏やかにこの位置を死守。
まわりはいつものごとく嵐。ここは技術と経験の差で切り抜けます。

が、不完全燃焼な「やり残し感」を残したまま終わるのは趣味じゃないので、
アンコール1曲目で果敢(?)にオーバーラップ開始。
すると思いのほかステージ前にぽっかりとしたスペースが。
シェフチェンコ並みのスピードと出足、そしてロナウジーニョばりの
鮮やかな身のこなしでするするとゴール前そしてデクスター前へ。
3列目からの攻撃参加が持ち味なんですー。
で、あとはいつものごとくモッシュピット。
病み上がりなのにずぶ濡れ&身体を冷やして帰ってきました。
やっぱバカは死ななきゃ直らねぇ。
でもそれやらなきゃ気が済まないんだから仕方がない。

しかし体力の不足分を知識と経験で補うこの見事な頭脳的投球術。
我ながらそろそろベテランの域に入ってきた感すらあります。
阪神でいえば下柳、ロッテでいえば小宮山を彷彿か。
帰りの新木場の駅で「げ!財布なくしたっ!!」と大騒ぎするあたり
(結局あった)はまだあまり大人とは言えないようですが。てへ。

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2005/10/16

初風邪

風邪引きでございます。
鼻喉に来てるな~と思ってはいたが、意外に悪化。
金曜日の「講演~バイクで移動~プール~バイクで帰宅」
という流れがいけなかったのかもしれん。
体温の調節がきかず、汗かいたり寒くなったりの連続です。
ああしんどい。これじゃまるで出来の悪い爬虫類みたいじゃないか。

実はこの春以降、風邪を引いたのは初めて。
やはり4月からはどこかで緊張感があったのでしょうな。
風邪で仕事に穴を開けてはいけない/迷惑をかけてはいけない
という意識があったと思われます。それはそれでいいことですが。

ということは何か?
半年経って気が緩んできたということか?
気なら5月ぐらいからゆうに緩んではいたはずなんだけど……。

ともあれ、早く治します。まわりに迷惑だからね。

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2005/10/08

結婚式

に出てきました。友達夫婦(!)の。
子どもの頃以来25年ぶりくらいだから実質初めてみたいなもん。
いやー、疲れた。もうぐったりです。俺は寝るぞ、誰が何と言おうと。

疲れたといってもね、楽しかった半分疲れた半分なんだな。
ふたりともとても仲の良い友達だし、
そういう意味ではなんだかとても嬉しかった。
反面、着慣れないもんを着たせいでぐったりきてしまいました。
「スーツ似合うと思うよ」とはわりによく言われるんだけど、
着つけてないせいか、どうもね……。
着ないで済むなら一生着ないで済ませたいです。
そのスーツが良いんだよと言う婦女子の意見(多数)はいまだによくわからん。

しかし参加しただけでこれなんだから、当事者はもう大変だよなあ。
本当におつかれさまです。
一生に一度のイベントだから頑張れるんだろうね、きっと。

なんかすげぇ良い経験させてもらったなって思う。
自分自身もどこかそういう時期だったのかもしれませんが。

とまれ、中華街で買ったジャスミン茶は明日飲む。
今日はもう寝る。ここまで。また明日。では。

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2005/10/04

【香港的小旅行記 第32回】

 ■100万ドルの夜景 その2:

 夜景を見てしまったからにはそそくさと下に降りてもよかったのだが、なにしろさっきここに着いたばかりだし、それにここにいるとまたあの蒸し暑い下界に戻るのがひどく馬鹿らしく感じられるので、もうしばらくここで涼んでいることにする。


v-peak
(有名な香港の「100万ドルの夜景」・昼間版:夜のほうがずっときれいだけど、
一人で来ている身にとっては使い道のない風景で困る)


 夕涼みがてら特にあてもなくぶらぶらとその辺を歩いていると、向こう側に見える車道の奥から何人かの観光客が固まってこちらに向かってくるのが見えた。風が吹いていたせいか、いくつかの話し声に混じって日本語のような声も聞こえてくる。あの辺には特に何もないはずなのに、なんであんなところから人が出てくるのだろう?
 訝りつつも彼らが歩いてきた方向へと歩いていくと、その先にはピーク・タワーとはまたべつの展望台があった。とはいっても、ピーク・タワーのような近代的で大掛かりな建造物ではなくて、獅子や龍をあしらったいかにも中国風といった感じの小さな展望台だ。ピーク・タワーが近代的で大きな建物だったせいかもしれないが、向こうと較べると、こちらの方はまるでおまけで造ったもののようにも見える。

 展望台のまわりには30人ぐらいの観光客が集まっていた。ピーク・タワーの展望台と同様、欧米系の白人の姿も見えるし、日本人の団体の姿もある。ほかには中国本土やシンガポールあたりから来たとおぼしき人たちの姿もある。
 彼らの中に混じって僕も夜景を眺めてみると、こちらの夜景は、ピーク・タワーから見たそれよりもどこかしっくり馴染むようなところがあった。ピーク・タワーからの夜景には少し斜めから無理に見ているような微妙な違和感があったのだが、ここから見る夜景にはそれがなくて、すっと楽に見れる気がする。
 そういえばこの角度の夜景には見覚えがある。この龍や獅子をあしらったいかにも中国風の造りにも見覚えがある。そうだ、ずっと前に写真で見たのだ。もう10年以上前だと思うけど、父が買ってきた絵葉書か何かで見たのと同じ景色だ。それにこのあたりの土産物屋で売っている絵はがきの写真の景色も、こちらの角度に近い。
 そうか、これは昔からある展望台なんだ。こっちが昔からある古いやつで、ピーク・タワーの方は、これとは別に新しく造った展望台なのだ。だから昔からあるこっちの方が眺めがよくて馴染むのだ。おまけなんかじゃない。そしていちばん眺めのいいところには昔からの展望台があるから、新しく建てた方からの景色はどこかいまいちしっくりこないわけだ。なるほどね。
 
 おそらく、昔からあるこの「ライオンタワー」だけでは手狭なので、大勢の人が入れる施設を新たに造ったのだろう。その理由はわかるけど、でもこんなシーソーみたいな形をした薄らでかい建物を造る必要があったのかなって思ってしまう。香港返還で観光客が減少することを見越した上で、大掛かりな計画のもとにこれだけの施設を造ったのかもしれないが、いくらなんでもこんなでかい物を建てるのはやりすぎのような気がする。もう少し落ち着いた感じのものにはできなかったのか。少なくとも僕は昔からのライオンタワーの方が好きなんだけど。
 もっとも、ピーク・タワーの展望台のすぐ下にあるオープンテラスのカフェはなかなかよさそうだった。入り口が少しわかりにくくて見落としがちだが、ここはゆっくり景色を見ながらお茶が飲めそうなのでちょっとおすすめです。すぐ向かいにあるピーク・ギャレリアにも景色を見ながら食事のできるところはあるのだけれど、そっちは室内からなのであまりおもしろくない(たぶん)。ギャレリアからだとちょっと奥まってしまうし、やっぱりこういうのは窓越しではなく、じかに風を感じながらの方がずっといいと思う。

 ピーク・トラムの山麓駅からは、またバスに乗って中環のフェリー乗り場まで行く。
 中環のバス停で外に出てみると、昼間ここら辺を埋め尽くしていた「阿媽」たちはすっかりいなくなっていた。全然いない。夕方ここで山麓行きのバス待ちをしている時にはまだその姿が見えたのだけど、いまはまったく見えない。彼女たちはあれからいったいどこへ行ったのだろう? 
 帰りはスター・フェリーに乗って尖沙咀まで戻る。中環から地下鉄に乗って一気に油麻地まで行ってもよかったのだが、フェリーから見える夜景も見ておきたかったので、少し手間を増やすことにする。明日の昼すぎにはこちらを出なければならないから、今夜のうちに見ておかないと次がないのだ。
 フェリーから見る夜景はまずまずというところだ。悪くはない。でも船の上からだとオフィス街の明かりがあまり点いていないのが山の上以上に丸わかりになってしまうので、どこか迫力不足という感は否めなかった。やはり夜景は平日がいいみたいである。


File0182
(スターフェリーからの香港摩天楼の眺め。やはり平日の夜がベストです)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ホテルのある油麻地に着いたのは夜も10時を過ぎてから。尖沙咀のフェリー乗り場に着いたのは9時前ぐらいだったのだけど、そこからバスに乗ったのがまずかった。
 バスは冷房が効いているうえにフェリー乗り場から油麻地までダイレクトに行けるので、いちど使ってみようと思って乗ったのだが、ところがこのバスが思っていたのとはまったく関係のないところに行ってしまい(要するに乗るバスを間違えた)、途中で降りてタクシーを拾って帰るという手間を踏んだらこんな時間になってしまった。バスに乗っているあいだは不安と心配で緊張しっぱなしだったので、駅に着いた時にはもうくたくたである。
 バスに乗る前はいったんホテルに荷物を置いて、それから女人街のナイト・マーケットを軽く見て歩こうと思っていたのだが、予定外の時間を食ってしまって時間も遅くなっていたので、仕方なくこれはあきらめる。『深夜特急』にも出てきた夜の露店街というものもぜひ見てみたかったのだが、なにしろ時間もなければ体力もない。これから荷物をパックしなければならないし、それにまだ夕飯も食べていないのだ。やれやれやれ。

 尖沙咀からバスに乗ったのは結果的に見れば失敗だったわけだが(時間はかかる、カネもかかる、疲れてくたくたになる)、でもバスに乗ってよかったこともあった。そのひとつは、これで香港の主な交通機関のすべてに乗れたということだ。九広鉄道とミニバスを除く、地下鉄、フェリー、バス、タクシー、トラムの5つを制覇(トラムは明日乗る予定)。滞在わずか3日間という条件を考えれば、これは悪くないスコアだ。
 もちろん、まさかこんな形でタクシーに乗ることになろうとは思いもしなかったけれど、でも結果的にみれば、尖沙咀からバスに乗ったおかげで5種目制覇を達成したのだともいえる。僕は新しい街に行った時は、なるべくたくさんの乗り物に乗ってみたいたちなので、この5種目制覇はちょっと嬉しかった。現地の乗り物が使えるようになると、それだけその街が自分のものになったような気がする。


MTRmap


 夕食は二日連続でコンビニの食料で済ませることにして、軽く買い物をしてからホテルに戻る(残念ながらコンビニ弁当などいう気の利いたものはないので、またしてもカップめんとパンと「おにぎり」という組み合わせだ。むなしい)。
 もうちょっとどうにかならないものかと自分でも思ったのだけれど、そんなに腹も減っていないし、栄養補給ができればいいのでもうこれでいいにする。ぼさっとテレビをつけながら食事を済ませて荷物整理にとりかかる。
 テレビでは広東語のニュースやドラマをやっていたが、やはり昨日と同じく中国語の字幕がついている。なんで中国語の放送に中国語の字幕がつくのだろうとずっと不思議でならなかったのだけれど、しばらく考えてから、この字幕は大陸出身者向けのものなのだということに気がついた。中国における標準語である北京語と香港で話されている広東語とでは発音がまったく違うため、大陸から移住してきた人や出稼ぎに来ている人の中には広東語が理解できない人も多いのだ。そしてこうやってわざわざ字幕をつけているということは、それだけこの香港には大陸からやってきている人が多く住んでいるということなのだろう。
(※北京語と広東語では、漢字表記はほぼ一緒だが、その発音は、ほぼまったくと言っていいほど異なるようである。ともに日本の芸能界で活躍していた台湾出身のビビアン・スーと香港出身のチューヤンは、ふたりで話すときには日本語で話すというエピソードがあるくらいだから、北京語と広東語というのはほとんど共通点がないくらいに異なる言語なのかもしれない)

 荷物整理を終えてぼけっとテレビを眺めていたら、こちらのバラエティ番組に、そのチューヤンが出ていた。チューヤンはあのたどたどしい日本語ではなくて、流暢な広東語を喋っている。当たり前と言ってしまえば当たり前なのだけど、でもすらすらと話すチューヤンには、なんとなく妙な違和感が感じられてならなかった。まあともかくこっちでも活躍してるみたいである。
 12時半就寝。でも寝ついたのは結局2時半を過ぎてから。くたくたに疲れていたはずだったのだけど、まだどこか緊張が残っていたのかもしれない。

(2日目 了)

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2005/10/02

くらげ

めずらしくサイトのおしらせです。

ひきこもり系の自助グループというか、居場所で、
くらげ」のHPができました。

もともと金沢文庫にあった「峠の茶屋」がリニューアルしてできたものです。
それにしてもきれいなHPですね。
それなりに技術のある人がいないとできないでしょう。
そういう「つながり」があるという点で、ちょっと期待できそうな感じです。
グループというものも、単体で孤立していては先行きは知れているので。

自助グループと書きましたが、セルフヘルプよりは敷居が低い感じなので、
対人不安の強い方はこちらのほうが合いやすいかもしれません。

あと、HPの文面を自分で考えて書いているのも◎。
以前というか、これは今もですが、中には、とあるグループのHP内容を
そのまんまパクっていたところもいくつかありましたから。
パクりはひどい。自分の言葉で語るって、案外大事ですよね。

応援してます。がんばってください(がんばりすぎない程度に)。

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