« 86.結婚式顛末:その1 | トップページ | 88.結婚式顛末:その3 »

2005/12/16

87.結婚式顛末:その2

 前回の続き。
 で、新しくスーツを買うことに決めたはいいのだが、何せ10年振りである。自分にとっての超のつくほど不得意分野。どこで何をどう探したらいいのかまるでわからなかった。
 はじめに思いついたのはふだんよく寄るセレクトショップが2~3軒と、あとは2プライスのスーツ・ショップが同じく2~3軒。スーツ・カンパニーとかスーツ・セレクト21とか、つまりそういったところだ。値段が均一なのでわかりやすいことはわかりやすいのだが、しかし何をどう見たらいいのかさっぱりわからないので、まずは偵察がてら思いついた何軒かを見てまわることにした。もちろんその最大の関心事は「スーツって値段いくらなの?」というトホホな現実である。

 何度でも繰り返そう。スーツなんて大っっ嫌いだ。でもどうせ着なきゃいけないのだったらカッコよく着たいという思いは捨てがたくあった。コナカとかアオキのペラペラしたのなんて絶対着たくない。だってそれじゃあまるでどうでもいいくたびれたおっさんみたいじゃないか。2着で2万9千円とかいうのを買うぐらいだったら、1着で3万8千円のを買ったほうがずっといい。僕はスーツとかその手のものがことのほかキライな人間だけど、少なくともそういうふうに考えるし、そう思う。くだらん安物なんてないほうがマシだ。かといって年に何度も使わないものに対してそんなに馬鹿高い金額は出せない。いまの状況ではどう頑張っても4万がせいぜいだろう。それに年に何度も着るものじゃないのだから、そんなに高いものを買う必要はないという現実もあった。
 しかし一方、何着も持つものでもないんだから、その1着にはそれなりにカネをかけてもいいのではないかという気持ちもあった。まさに悩みどころ。現実的には4万円以内で収めるのが筋というものだが、とにかくまずは偵察である。相場がわからなきゃ判断の下しようがない。

 それにしても自分自身で笑ってしまった。スーツ・ショップの中を歩いている自分? 何それ? つーかありえないし。はじめはそんな自分に慣れるのにひどく時間がかかった。ただ慣れとは恐ろしいもので、回数を繰り返しているうちに気持ちが和らいでいることに自分で気づいた。そんな言うほど場違いな場所でもないよな、みたいに。
 ほんと、自分で言うのもなんだけど、少しは詳しくなったと思いますよ。目が肥えたとでもいうのかな。まずスーツは生地だということがよぉくわかった。何気なくぶら下がったスーツを眺めていても、どことなく気を惹かれるのは質の良いやつが多い。そして値段も高い。違いは生地だ。なんとなく光沢感というか、高級感が違う。それとシルエットもどこかが洗練されている。やはり2プライスのところのスーツと、ビサルノあたりに置いてあるのとではもう全然違うもん。スーツというのは基本的な形が同じであるため、その他の服に較べ、生地やシルエットや細かなデザインの差がよりはっきりと、如実に映ってしまうものなのかもしれない。そのうち、お店にぶら下がったスーツを一目見るだけでだいたいの値段が当てられるようになってきた。どうやらここはオーディオと同じで、出したら出しただけ良い物が手に入ってしまう世界であるらしい。まさにハマりだすと大変な事になりそうな予感。おっかないのでほどほどのところで手を打っておこう。

 出せる限度額は4万。何よりこれが良かった。いくつかのセレクトをまわった結果、「ちょっといいな」と思うものは大概7~8万はする。無理。よって、マルイ&セレクトの線はあきらめて、おとなしく妥当に2プライスのところでおさめることにした。前者に比べれば明らかに見劣りはするが、2プライスのところとて決して物が悪いというわけではない。あとは数あるお店の中からどこを選択するか、そして何色の、どういうものが欲しいのかという話になる。しかしこの自分がスーツ云々とか言ってるんだからなあ。ほんとにびっくり仰天ですよ。くどいようですけれど。

 スタイルについては、いま持っているものよりも細身の、少し腰を絞ったもので決定。スーツの色は基本的に紺かグレーが定番中の大定番なのだが(実はこれも今回はじめて知った)、そのふたつは却下して黒を選択。黒無地のスーツは別に1着持っているので、少し柄の入ったものに標的を定めた。紺を避けたのはあまりにありきたりなのと、この色はリクルートスーツの忌まわしいイメージが強すぎて個人的に好きになれなかったから。どうせたぶん着ても似合わないだろうし。グレーを外したのはもちろん同じ色を1着持っているからで、特に淡いめのグレーは自分にはそぐわないような気がした。ここは自分ひとりでは客観性のある判断に欠けるので、何色がおさまるかについては友達に相談したりもした。「紺だったらぐっと濃い、黒に近いような色。グレーはあんまり似合わないと思うよ」。ふうん、そうかなるほど。

 スーツについてはあっさり決定。なんとなく気になっていたブラックのスーツを試着してみたらこれがすんなり。ほかに何ひとつ試着もせずに買うものが決まってしまった。たぶん店員さんに声をかけて3分ぐらいの間で決まってしまったんだと思う。ともあれ話が早いというのは良いことである。
 次は中身。手持ちのシャツとネクタイでは使えそうもないのはわかっていたから、仮に黒無地のスーツで乗り切るとしても中身だけは買い揃えるつもりでいた。問題は何色を持ってくるか。
 はじめはVゾーンはダーク系の色でまとめるつもりで出かけたのだが、「暖色が欲しい」といって出てきたのが、なんとピンク。さすがに抵抗があったので別の組み合わせも試してもらったのだが、どうも何かがつまらない。パンチもない。結局一緒に行ってもらった友達に判断をぶん投げ、最終的にピンクに決定。このピンクのシャツについては当日みんなに突っ込まれたけど、でも自分ひとりじゃ絶対この決定はなかっただろうな。他者を取り込むことの面白さってこういうところにもあるんですよね。なんつうかこう、<引き出しが広がる>みたいな。

 ともあれこれで懸案はすべて解決されました。あとは本番当日を待つだけです。それにしても、結婚式の服装っていうのはむずかしいねぇ……。

|

« 86.結婚式顛末:その1 | トップページ | 88.結婚式顛末:その3 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/15236/7645135

この記事へのトラックバック一覧です: 87.結婚式顛末:その2:

« 86.結婚式顛末:その1 | トップページ | 88.結婚式顛末:その3 »