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2013/10/18

■10月2日(水) 仙台・5日目(その2)

南三陸町を離れて北上。
今日の最終目的地は陸前高田市なので、
まずは一路北上して気仙沼市へと向かう。

被災地というと、
どうしても石巻や宮古や陸前高田のような「町」をイメージするわけだが、
車で走っていると、そういった「町」と町」をつなぐ地域も
被災していることがよくわかる。
当たり前といえば当たり前のことなんだけれど、
テレビでは人が少ない地域や
絵になりにくい場所は取り上げられることが少ないから、
そういう「名もない土地」の惨状というのは
どうしても見えづらくなってしまう。

だが、現実は違う。
道路を走っていると、塩害で放置された田畑、
三陸鉄道の壊れた橋脚や線路、何台もの黄色い重機、
道路をひっきりなしに行き交うダンプトラックなどの姿が嫌でも目に入る。
当たり前のことだけれど、名もない場所もすべて被災地なのだ。
メディアの映像からはそのことが伝わってこない。

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■気仙沼市

気仙沼の中心部はだいぶ復興が進んだように(車窓からは)見えたが、
北側の鹿折地区は建物と住宅が流され、
灰色のブロック塀が剥き出しになっている。
このあたりは国道を走っていても、
津波の爪痕がひしひしと感じられてしまう。
できればもう少しゆっくり見ていたかったが、
日没前に陸前高田に着いておきたかったので、
気仙沼では車を降りずに北上を続けることにする。


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■陸前高田市

あの大きな震災が起きる前は、
陸前高田という土地の名前は聞いたことがなかった。
僕がこの土地の名前を知ったのは
鹿島アントラーズの小笠原満男選手の復興活動がきっかけだった。

僕は鹿島のサポーターというわけではないけれど、
寡黙で人前に出ることを嫌う満男が
メディアに向けてあれだけ自分の想いを伝える姿は驚きだった。
はっきりいって、あり得ないことだった。
あの満男があれだけのことをするということは、
つまりそれだけのことなのだ。

彼の活動がなかったら僕が陸前高田という土地を知ることもなかったし、
こうして実際に現地を訪れることもなかった。
彼の活動とその思いは、確実に誰かの元に届いているわけだ。


そして車は陸前高田市の南端。
海沿い道を下って目の前の視界が開けた時、僕は言葉を失った。

「何も、ない」

本当に、何もない。
南三陸町の沿岸の何もなさっぷりもすごかったが、
陸前高田の「何もなさ」は、その数倍も衝撃的だった。
町が、まるごと消えている。
ここまで何もなくなるものなのか。

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町の中心部(らしき場所)まで車を走らせたが、
野球場の照明塔を除けば、
あとはほとんどすべてのものが津波に押し流されていた。
町に何もない分、道路の上をせわしなく走るダンプトラックが
否が応でも目につく。
時折、廃墟になった建物の前に車を駐めて、
写真を撮っていく県外ナンバーの車。
僕の銀色の「ノート」もその中の1台だ。

震災から2年以上が経っても、
今なおここまでの惨状を残しているのかと
気が遠くなる気がした。


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そのあとは高台に登って、
プレハブの市役所(仮庁舎)のまわりを見てまわる。
あたりは少しずつ夕闇色に染まり始め、
視界がその距離を短くしていく。
プレハブのそれを除けば、店らしき店がない。

高台下のファミリーマートの明かりを見ると妙にホッとする。
この何もなくなった陸前高田の町ではあるが、
ファミリーマートの店内は驚くくらいファミリーマートで、
ホッとするやら違和感があるやらで、少し複雑な気分になった。
でも、コンビニの明かりに救われた人はきっと多いだろうなあ。

あまり時間は取れなかったけれど、
テレビでは見えない説得力のようなものを感じることができた。

時間が取れなくて少しバタバタではあったけれど、
やはり現地に来てよかった。
次来たときはガイドボランティアさんにいろいろ説明してもらおう。

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■帰路

すっかり日が暮れてから
県境をまたいで気仙沼まで引き返し、
屋台村でマグロの三色丼を食べてから一関まで。
東北道に乗ってそのまま南へ。
車内のBGMは、昨日HMVで買ったジャック・ジョンソンとメタリカのライヴ盤。
(どうゆう取り合わせだ……)
仙台に帰り着いたのは夜10時近かったので、
駅前の半田屋(24時間営業!)で夕食。

ここはボリュームたっぷりで安い。昔から知ってる。
「生まれたときからどんぶり飯」というコピーが結構好きだ。
半田屋のメニューを見たら妙に幸せな気分になってしまった。

食べ物って人を幸せな気分にできるんだなあ。

そんな1日の締めくくり。

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